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地球温暖化のメカニズム

地球温暖化・環境問題:17年度電気事業者別二酸化炭素排出係数

 環境省と経済産業省は、各電気事業者から提出された平成17年度の電気事業者別二酸化炭素排出係数(初期値)を官報に掲載した。

 電気の使用に関する二酸化炭素排出係数について、国は当初、供給側の電気事業者を既存の電力10社とそれ以外の事業者の2グループに分け、それぞれの平均的係数を定める案を想定していたが、最終的には、排出量算定・報告・公表制度案の意見募集結果を考慮し、供給事業者にかかわらず、すべての電気の排出係数を「1キロワット時あたり0.555kg-CO2」に設定。ただし、「1キロワット時あたり0.555kg-CO2」を下回る供給事業者ごとの係数が国から公表された場合には、その数値を利用することができるとしていた。

 今回の公表された係数は、事業者別排出係数の算出方法・17年度の電気事業者別排出係数設定を検討していた資源エネルギー庁長官と環境省地球環境局長の私的検討会「温対法に基づく事業者別排出係数の算出方法等に係る検討会」の検討結果を踏まえたもの。

 電気事業者別二酸化炭素排出係数が公表された事業者は、北海道電力(株)(排出係数:二酸化炭素換算で1キロワットあたり0.000502トン)、東北電力(株)(同0.000510トン)、東京電力(株)(同0.000368トン)、中部電力(株)(同0.000452トン)、北陸電力(株)(同0.0000407トン)、関西電力(株)(0.000358トン)、四国電力(株)(同0.000378トン)、九州電力(株)(同0.000365トン)、イーレックス(株)(同0.000445トン)、エネサーブ(株)(同0.000518トン)、(株)エネット(同0.000424トン)、ダイヤモンドパワー(株)(同0.000403トン)、(株)ファーストエスコ(同0.000309トン)--の13社

   

地球温暖化・環境問題:田んぼの生きもの調査2006

 農林水産省と環境省が2006年6月~10月に実施していた、水田周辺での生物調査「田んぼの生きもの調査2006」の調査結果がまとまり、07年3月23日に公表された。

 「田んぼの生きもの調査」は、水田周辺区域でよりよい生態系を形成させる手法の確立や自然と共生する環境創造型の農村整備に役立てることを目的として実施されている調査で、今回は全国の534団体が参加し、魚については306地区(1,761地点)、カエルについては300地区(367地点)の水田・水路・ため池などで調査を行った。

 その結果、魚については24科95種、カエルについては4科16種を確認。

 この中には、絶滅危惧1B類(近い将来に絶滅の危険性が高い種)であるホトケドジョウやナゴヤダルマガエルなど、希少種18種(魚16種、カエル2種 注1)が含まれていたが、一方で、オオクチバス、ブルーギル、オオヒキガエル、ウシガエルなど、外来種14種(魚類12種、カエル2種)も含まれていたことが報告されている。

 なおメダカについては、「自然環境保全基礎調査」での10キロメートル四方のメッシュ(網の目状に区画わけ)によるメダカ分布結果など、過去に知られている生息情報と照らしあわせたところ、これまでに確認がなかった15メッシュでも新たに生息分布が確認された。この結果により、「田んぼの生きもの調査」でメダカの生息が新確認された区画は、01~06年度の総計で168メッシュとなった。

   

地球温暖化・環境問題:16・17年度の海洋環境モニタリング調査結果

 環境省は、平成16年度と17年度の「海洋環境モニタリング調査」の結果をまとめ、19年3月23日付けで公表した。

 この調査は、昭和50年度から平成6年度まで環境庁が実施した「日本近海海洋汚染実態調査」の結果を基礎として、従来から実施されていた水質、底質などのほか、海洋生物に蓄積される汚染物質濃度やプラスチック類漂流物の量を調査項目に加えて10年度から実施されているもの。

 日本周辺の海域を3~5年で一巡するように調査計画を立て、16年度調査では、(1)九州北岸沖と、親潮域(仙台湾等)・黒潮域(東京湾等)・東シナ海域(有明海等)・日本海域(富山湾等)での陸域起源の汚染を対象とした調査、(2)九州北岸沖の有機・無機汚泥投入処分海域での廃棄物海洋投入処分による汚染調査、(3)紀伊半島・四国沖の有機・無機汚泥投入処分海域での有機スズ化合物汚染に関する補足調査(注1)--を実施した。

 (1)(2)の調査からは、九州北岸沖の広範囲の海域の堆積物中からバックグラウンドレベルを超える高い値のブチルスズ化合物が検出されたことが確認された。特に(2)の調査対象になった、有機性汚泥投入処分海域「Y-6’」周辺では、ブチルスズ化合物だけでなく、総水銀・カドミウムも高い値を示していることから、同じ汚染源に由来している可能性があると指摘されている(注2)。

 また、17年度調査では、(一)北海道南岸沖・日本海北部と、親潮域(仙台湾等)・黒潮域(東京湾等)・東シナ海域(有明海等)・日本海域(富山湾等)での陸域起源の汚染を対象とした調査、(二)伊豆・房総沖の有機・無機汚泥投入処分海域での廃棄物海洋投入処分による汚染調査--が行われた。

 (一)の調査では特段の汚染の進行が認められなかったが、(二)の調査地点中、無機性汚泥などの投入処分海域では、赤泥(ボーキサイト残渣)に由来する物質が検出され、生物群衆調査でも対照点に比べて投入点の個体数が有意に低くなっていた。【環境省】

(注1)16年度に実施した紀伊半島・四国沖の有機・無機汚泥投入処分海域での有機スズ化合物汚染に関する補足調査結果は、15年度調査結果と一緒に公表済み。

(注2)ブチルスズ化合物が有機性汚泥に高濃度に含まれることはないことから、環境省は投入処分による汚染とは断定せず、原因特定を今後の課題とした。また、この周辺海域は漁場として利用されているため、漁獲物を介して有機スズ化合物をヒトが摂取する可能性があるものの、濃度レベルから考えて、ヒトの健康に影響を及ぼすおそれはないという判断を示している。

   

地球温暖化・環境問題:公開講演会「環境学のフロンティア:脱温暖化社会へのシナリオ」開催

 日本学術会議と名古屋市は、平成19年3月28日に名古屋市中区の名古屋市鯱城ホールで、公開講演会「環境学のフロンティア:脱温暖化社会へのシナリオ」を開催する。時間は13時から17時30分まで。

 この講演会は、多様な議論が錯綜している地球温暖化問題の本質を把握することを学ぶとともに、脱温暖化社会へのシナリオを描き、「行動する環境学とは何か」を参加者と一緒に考えることが目的。

 プログラムとしては、「第1部 問題提起」(松原武久・名古屋市長からのメッセージ、花木啓祐・東京大学工学系研究科教授による講演)、「第2部 脱温暖化社会へのチャレンジ」(福井弘道・慶應義塾大学総合政策学部教授ら7氏の講演)、「第3部 パネルディスカッション 脱温暖化社会へのシナリオ」(コーディネーター:進士五十八・東京農業大学地域環境科学部教授、パネラー第1部・2部の講演者)が予定されている。

 定員は700名、参加費無料。問合わせ先は日本学術会議事務局企画課公開講演会担当(住所:〒106-8555東京都港区六本木7-22-34、FAX番号:電子メールアドレス:info@scj.go.jp)。【内閣府】

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地球温暖化・環境問題:「2007新宿御苑みどりの月間の集い」開催

 環境省は「みどりの月間」(2007年4月15日~5月14日)」期間中の4月28日に、「2007新宿御苑みどりの月間の集い」を新宿御苑で開催する。当日の入園は無料。

 「みどりの月間」は、07年から「みどりの日」が5月4日に移行するにあたり、「みどりの日」についての国民の関心と理解を促すために設置された月間。「みどりの日」の趣旨にもとづき、自然に親しみ、その恩恵に感謝する心をはぐくむことを目的としたイベントなどが全国で開催される予定になっている。

 今回の「2007新宿御苑みどりの月間の集い」では、自然観察会、ウォーキング、ネイチャーゲームなど、新宿御苑の豊かな自然とふれあうプログラムを実施する「みどりフェスタ」が行われるほか、07年が「自然公園法」制定から数えて50周年めの年にあたることから、その記念行事の一環として、全国の国立公園の紹介、観光情報の提供、民芸品を始めとした特産物の販売などを行う「国立公園フェア」が併せて実施される。

 「国立公園フェア」に参加予定となっているのは、釧路湿原国立公園など、北海道から中国地方まで14の国立公園の地元団体と(財)国立公園協会、(財)自然公園財団など。

   

地球温暖化・環境問題:我が家の「eco宣言☆」受賞者を決定

 環境省は平成19年3月22日、家庭や団体・企業から寄せられた、環境にやさしい暮らし方(エコライフ)の取組みに関する「eco宣言☆」の中から、優秀取組事例として6件を選定した。

 同省では家庭で環境にやさしい暮らし方に取り組む人を応援するために、17年度から「我が家の環境大臣事業」をスタートさせたが、「eco宣言☆」はこの事業の一環として募集が行われていた。
 募集部門は「ファミリー部門」、「団体部門」--の2部門で、「ファミリー部門」では、家庭で取り組んだエコライフの成果・目標、「団体部門」では、団体や企業がメンバーやその家族に対して行ってきたエコライフ推進に向けての取組みの成果・目標を募集の対象としていた。

 公表内容によると、「ファミリー部門」では1,299点、「団体部門」では108点の宣言が寄せられ、このうち、片亀光さん(群馬県)の宣言「今年も貯めるぞeco貯金 節電・節水9年で38万円」が「ファミリー部門」、豊橋市立本郷中学校(愛知県)の宣言「残飯は 自分の未来 汚してる」が「団体部門」の金賞を受賞した。

 このほか、渡辺幸子さん(新潟県)の「新鮮で地場の野菜や魚を買う!」、40代男性(北海道)の「雪はエネルギーのかたまり」がファミリー部門の銀賞、銅賞をそれぞれ受賞。

 また、東芝グループ(東京都)の「東芝グループは、エコファミリーで家庭のイノベーションを実現します。」、木津町こどもエコクラブサポーターの会(京都府)の「お茶がら染めでおしゃれ雑貨に大変身」が団体部門の銀賞、銅賞を受賞した。

 受賞作品は「我が家の環境大臣」ウェブサイトに記載するほか、19年3月28日に東京・霞が関の環境省環境大臣室で表彰を行う。

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地球温暖化・環境問題:「水産基本計画」変更内容が閣議決定

 平成19年3月20日開催の閣議で、「水産基本計画」の変更が閣議決定された。
 「水産基本計画」は、水産資源の持続的利用、水産業の発展、水産物の安定供給を目指して「水産基本法」に基づき、14年3月に政府が定めた水産施策の中期的な指針。10年程度を見通して、おおむね5年ごとに見直しを行うとされていた。

 「新・水産基本計画」は、水産業・漁村をめぐってこの5年間で変化があった点として、(1)食の外部依存の進行、大手量販店のシェア拡大など消費流通構造の変化、(2)世界の水産物需要量の増大、貿易自由化・経済社会の国際化の進展、(3)過剰漁獲、生育環境悪化による資源状況の悪化、(4)漁業就業者の高齢化、漁船の高船齢化、燃油価格高騰など漁業生産構造の脆弱化、(5)生態系保全など水産業・漁村の持つの多面的機能に対する国民の期待の高まり--の5点を指摘。

 これらの変化を踏まえて、(一)資源管理、水産動植物の生育環境改善など、水産資源の回復・管理の推進、(二)国際競争力のある経営体の育成・確保と活力ある漁業就業構造の確立、(三)水産物の安定供給を図るための加工・流通・消費施策の展開、(四)漁船の省エネ、海洋バイオマス資源の利活用など新技術の開発・普及、(五)漁業者を中心とする環境・生態系保全活動の促進など、水産業・漁村の多面的機能の発揮、漁港・漁場・漁村の総合的整備、(六)水産関係団体の再編整備--などの施策を総合的・計画的に講ずべきとしている。

 また、水産物の自給率の目標値を設定。29年度を目標年とし、食用の魚介類は65%(17年度概算値:57%)、魚介類全体では56%(同:50%)、海藻類では70%(同:67%)の自給率を達成すべきとした。

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地球温暖化・環境問題:東京内湾の小型機船底びき網漁業対象魚種について「包括的資源回復計画」を作成

 神奈川県は東京内湾の小型機船底びき網漁業対象魚種についての「包括的資源回復計画」を作成し、2007年3月20日付けで公表した。

 「資源回復計画」は悪化傾向にある日本周辺水域の水産資源の回復を漁業関係者や行政が一体となって取組むために策定されるもので、複数県にまたがり分布する資源については国が、分布が一都道府県内にとどまる場合は都道府県が計画を作成することになっている。

 今回の計画の対象になった東京内湾での小型機船底びき網漁業の漁獲量は、平成元年には最多の2,305トンを記録したが、その後に減少し、ここ数年は1,000トンを下回っている。特に漁獲量の4割以上を占めるシャコは、元年には1,080トン漁獲されていたが、17年には57トンに激減している。背景には対象魚種の資源水準が総じて低位で推移していることがあり、その回復が緊急の課題となっている。

 今回の「資源回復計画」は、小型機船底びき網漁業対象資源の減少に歯止めをかけ、漁獲対象資源全般を回復させること、具体的には23年度にシャコ資源を持続的に利用できる資源量まで回復させることのほか、マコガレイ等の魚類資源の減少に歯止めをかけ、合計800トン(17年比約3割増)の回復を目指すこと--を目標に設定。

 資源回復措置としては、(1)稚魚・稚シャコ等が集まる漁場の一部での禁漁期設定、(2)マコガレイなどの小型魚の水揚げ制限と再放流、(3)シャコ漁制限、(4)漁具改良、(5)週2日の休漁日設定、(6)マコガレイなどの種苗放流や漁場清掃による漁場環境改善--などを行うとしている。
 なお、東京内湾の小型機船底びき網漁業の操業は、神奈川県のほか、千葉県の漁業者が行っているため、神奈川県はこの資源回復措置を千葉県の漁業者と連携を保ちながら行っていくとしている。

   

地球温暖化・環境問題:129件目の京都メカニズム案件承認 マレーシアでのCDM1件

 経済産業省に申請されていたクリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクト1件が、平成19年3月16日付けで「京都メカニズム推進・活用会議」に承認され、日本政府の正式なプロジェクトとなった。

 CDMは各国の削減目標達成のための市場原理を活用した国際的な仕組み「京都メカニズム」の1つで、先進国と途上国が共同で温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施し、達成された温室効果ガス削減分の一部(認証排出削減量)を先進国が自国の削減量として充当することを認める制度。

 日本政府の正式なプロジェクトとなるためには温暖化対策関連省庁のいずれかに承認申請を提出し、関連省庁が共同で開催する「京都メカニズム推進・活用会議」で承認されることが必要。

 今回承認されたのは、(株)デンソーが申請した、マレーシアの工場でのエア消費設備・エア供給施設双方の省エネ改善プロジェクト(年間CO2排出削減量:CO2換算で0.02万トン)。日本としては129件めの正式な京都メカニズム承認案件にあたる。

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地球温暖化・環境問題:岩屋ウィンドファーム発電所の風車倒壊 事業者が事故最終報告を提出

 岩屋ウィンドファーム発電所(青森県東通村)で平成19年1月8日に風車倒壊事故が発生した件について、発電所の事業者である(株)ユーラスエナジー岩屋は平成19年3月16日に、事故に関する最終報告を、関東東北産業保安監督部長に提出した。
 青森県東通村の岩屋地区では1月8日午後9時50分頃に停電事故が発生。
 東北電力(株)が調査・点検を行ったところ、ウィンドファームに設置している風車25基のうち、「11A号機」1基が基礎部から倒壊していることが1月9日午前0時過ぎに確認された。
 「11A号機」は高さ68メートル、翼の長さ29メートル、出力1,300キロワットの風車で、18年末から機器トラブルにより運転を停止していた。
また通常は秒速60メートルの風に耐えるように設計されているが、倒壊前10分間の平均風速は秒速16~20メートルにすぎなかった。
 今回の報告は、さまざまな要因が重なった結果、風車が過回転状態となり、設計条件を上回る荷重が風車基礎に作用したために風車倒壊が発生したと原因を説明。さらに過回転に至った主要因は、(1)ピッチ固定用ブロックが取付け作業の不備により脱落したこと、(2)二重化されたピッチ固定機能の一方が破綻し他方を破損させたこと、(3)風車での不具合発生を把握し適切な対応をとる体制ができていなかったこと--にあるとの分析を示した。
 この原因にもとづいた再発防止策としては、(一)ピッチ固定用ブロック脱落防止措置と措置の実施管理作業の実施、(二)ブレード操作ピッチシリンダーの油圧保持によるピッチ固定機能の確保、(三)特定の風車の不具合に即応可能な監視システムと運用ルールの整備--があげられている。
 なお原子力安全・保安院は関東東北産業保安監督部長を通じ、同社に対し、上記報告書に記載されている再発防止策をできるだけ速やかに措置すること、風車の保守管理を徹底することを指示。また、現在実施している風車の技術基準見直しに向けた検討の中に、今回の報告書の内容を反映させていくこととしている。

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