TOPページ > 02STOP!地球温暖化の原因 > 地球温暖化のメカニズム > 地球温暖化・環境問題:16・17年度の海洋環境モニタリング調査結果

地球温暖化のメカニズム

地球温暖化・環境問題:16・17年度の海洋環境モニタリング調査結果

 環境省は、平成16年度と17年度の「海洋環境モニタリング調査」の結果をまとめ、19年3月23日付けで公表した。

 この調査は、昭和50年度から平成6年度まで環境庁が実施した「日本近海海洋汚染実態調査」の結果を基礎として、従来から実施されていた水質、底質などのほか、海洋生物に蓄積される汚染物質濃度やプラスチック類漂流物の量を調査項目に加えて10年度から実施されているもの。

 日本周辺の海域を3~5年で一巡するように調査計画を立て、16年度調査では、(1)九州北岸沖と、親潮域(仙台湾等)・黒潮域(東京湾等)・東シナ海域(有明海等)・日本海域(富山湾等)での陸域起源の汚染を対象とした調査、(2)九州北岸沖の有機・無機汚泥投入処分海域での廃棄物海洋投入処分による汚染調査、(3)紀伊半島・四国沖の有機・無機汚泥投入処分海域での有機スズ化合物汚染に関する補足調査(注1)--を実施した。

 (1)(2)の調査からは、九州北岸沖の広範囲の海域の堆積物中からバックグラウンドレベルを超える高い値のブチルスズ化合物が検出されたことが確認された。特に(2)の調査対象になった、有機性汚泥投入処分海域「Y-6’」周辺では、ブチルスズ化合物だけでなく、総水銀・カドミウムも高い値を示していることから、同じ汚染源に由来している可能性があると指摘されている(注2)。

 また、17年度調査では、(一)北海道南岸沖・日本海北部と、親潮域(仙台湾等)・黒潮域(東京湾等)・東シナ海域(有明海等)・日本海域(富山湾等)での陸域起源の汚染を対象とした調査、(二)伊豆・房総沖の有機・無機汚泥投入処分海域での廃棄物海洋投入処分による汚染調査--が行われた。

 (一)の調査では特段の汚染の進行が認められなかったが、(二)の調査地点中、無機性汚泥などの投入処分海域では、赤泥(ボーキサイト残渣)に由来する物質が検出され、生物群衆調査でも対照点に比べて投入点の個体数が有意に低くなっていた。【環境省】

(注1)16年度に実施した紀伊半島・四国沖の有機・無機汚泥投入処分海域での有機スズ化合物汚染に関する補足調査結果は、15年度調査結果と一緒に公表済み。

(注2)ブチルスズ化合物が有機性汚泥に高濃度に含まれることはないことから、環境省は投入処分による汚染とは断定せず、原因特定を今後の課題とした。また、この周辺海域は漁場として利用されているため、漁獲物を介して有機スズ化合物をヒトが摂取する可能性があるものの、濃度レベルから考えて、ヒトの健康に影響を及ぼすおそれはないという判断を示している。