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地球温暖化のメカニズム

球磨川水系の河川整備基本方針

 社会資本整備審議会に対し国土交通大臣が意見を求めていた、球磨(くま)川水系の河川整備基本方針が、同審議会・河川整備基本方針検討小委員会での審議を経て、平成19年5月11日付けで策定され、同日の官報で公表された。
 河川整備基本方針は、治水、利水、河川環境など、各水系の河川管理の総合的・長期的な方針を定めるもので、河川環境については整備・保全・維持管理に対する考え方を明らかにしている。
 球磨川は、熊本県球磨郡銚子笠の標高1,489メートルの地点に源を発し、人吉・球磨盆地、八代平野を通って不知火海(八代海)に注ぐ幹川流路延長115キロメートル、流域面積1,880平方キロメートルの一級河川。最上川・富士川と並ぶ日本3大急流の1つであり、その流域は、熊本県、宮崎県、鹿児島県の4市5町5村に及んでいる。
 今回策定された、「球磨川水系河川整備基本方針」は、河川景観保全、多様な動植物が生息・生育する豊かな自然環境の構築(魚の産卵場再生や魚道改良・整備など)、健全な水・物質循環系の構築、水質保全・改善、河川工事などによる河川環境への影響回避・低減、人と河川との豊かなふれあいの確保、地域住民や関係機関と連携した川づ
くり、環境情報収集やモニタリング--などを環境保全項目として盛り込んでいる。

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施設整備と組み合わせた国内排出量取引制度 第3期参加事業者

 環境省は2007年度から開始する「自主参加型国内排出量取引制度第3期事業」の参加事業者53社を、07年5月10日までに決定した。
 第3期自主参加型国内排出量取引制度は、(A)一定量の温室効果ガス排出削減を約束する代わりに、CO2排出抑制設備整備補助金と排出枠交付を受ける事業者、(B)設備補助を受けることなく、08年度に基準年度(注1)比1%以上の排出削減を約束し、排出枠の交付を受ける参加者、(C)設備補助を受けることなく、07年度に基準年度比1%以上、08年度に同2%以上の排出削減を約束し、排出枠の交付を受ける事業者、(D)補助金や排出枠交付は受けず、排出枠取引のみに参加する法人--の4タイプの参加形態を想定。
 ルールは、(1)交付を受けた補助金で(A)タイプの事業者が、CO2排出抑制設備を整備。(2)さらに(A)・(B)・(C)タイプの事業者に、排出枠の初期割当量を交付し、具体的な排出削減をスタート。(3)その後(D)タイプの法人を含む他の参加者間で排出枠を取引して「排出削減約束」達成に充てることができるとするもの。
 (A)タイプの事業者については、必要経費の最大3分の1、1工場・事業場あたり最大2億円以下の補助を受けることができるが、09年8月31日に予定されている償却期間後に約束が未達成だった場合には、補助金を返還しなければならない(注2)。
 (D)タイプの法人については今回は募集を行わなかったため、決定した53社の内訳は、(A)タイプの事業者47社、(B)タイプの事業者3社、(C)タイプの事業者3社となっている(注3)。
 なお(A)タイプ47社の制度対象工場・事業所の08年度排出削減予測量の合計は基準年度排出量の8.7%にあたる11万3,289トン(CO2換算)に達したが、さらに、この削減量が設備の法定耐用年数の間、継続すると想定した場合の排出削減予測量は、総計145万1,831トン(CO2換算)になるという。補助金総額は24億3,520万7,000円であることから、法定耐用年数の間削減されるCO2・1トンあたりの補助金額は1,677円と試算されている。

(注1)04年度~06年度の3年間の排出量。
(注2)初期割当量「JPA」および、CDMにより発行されるクレジット「CER」や共同実施により発行される「ERU」をもとに、この制度用に発行されるクレジット「jCER」、「jERU」を償却に充てることができる。
(注3)(A)タイプの事業者47社の中には、複数事業者が共同で1グループを構成している場合も1社と数えている。また、(D)タイプの法人については、07年度後半に募集が行われる予定

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電気便座の省エネ基準案への意見募集

 総合資源エネルギー調査会の省エネルギー基準部会に設置された「電気便座判断基準小委員会」は、2007年5月9日までに、電気便座の省エネルギー基準案に関する中間とりまとめを行い、この案に対する意見募集を07年6月7日(必着)まで実施することにした。
 中間とりまとめは、洗浄機能の有無、貯湯タンクの有無などによる商品区分ごとに、電気便座の省エネ目標基準値案(年間消費電力量年:135~183キロワット時)を示したもので、2012年度を目標年度に設定。
 12年度に今回の基準値案が達成された場合、同年度の電気便座全般のエネルギー消費効率は、06年度の実績値よりさらに約9.7%改善される見込み(注1)だという。
 意見は郵送、FAX、電子メールで受付けている。宛先は経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部省エネルギー対策課パブリックコメント担当(住所:〒100-8901東京都千代田区霞が関1-3-1、FAX番号:03-3580-8439、電子メールアドレス:shouene-pub@meti.go.jp)。【資源エネルギー庁】

(注1)電気便座出荷台数と製品区分の構成が06年度実績と比べ、大きく変化していないことが前提。

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燃料電池技術の技術動向分析結果

 特許庁は、同庁が実施している特許情報を活用した技術動向の分析調査「特許出願技術動向調査」のうち、06年度に調査対象とした燃料電池についての分析結果をまとめ、2007年5月9日付けで公表した。
 燃料電池は水素と酸素との化学反応によって電気と熱を取り出す発電装置。自動車、住宅、携帯機器の3分野については商品化一歩手前の状況にあり、温暖化の原因物質である二酸化炭素、有害物質である窒素酸化物、硫化物などの排出を抑え、発電効率も高い次世代エネルギーとして期待されている。
 特許庁の今回の分析は、燃料電池に関する1998年から04年までの日米欧への特許出願件数3万2,209件中、日本勢が67%を占め、優勢を示しているとしつつも、商品化や普及のためには、今後「性能・耐久性向上」と「大幅コストダウン」の2大課題解決に向け、突破口となる技術の開発や、材料研究など燃料電池の基本要素に立ち戻った技術開発が重要になってきている--とする指摘を行っている。

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ドイツ政府が「G8環境大臣会合」議長総括文書を公表

 2007年3月15日から17日まで、ドイツのポツダムで開催された主要8か国(G8)環境・開発大臣会合の議長総括文書が、07年4月13日までにドイツ政府から公表され、環境省ホームページに07年5月9日に掲載された。
 今回のG8環境・開発大臣会合には、主要8か国(日、加、仏、独、伊、露、英、米)の環境担当大臣のほか、主要途上国であるブラジル、中、印、メキシコ、南アの環境担当大臣も出席。「生物多様性」と「気候変動とエネルギー」とについて意見交換が行われた。
 公表された議長総括文書は、(1)参加したG8・主要途上国が議長提案である「ポツダム・イニシアティブ-生物多様性2010および10の行動」を基本的に支持したこと、(2)IPCCによって確認された気候変動に関する科学的知見に合意し、先進国と途上国双方が気候保全、持続可能な開発、経済成長に関する統合的戦略を策定することが必要であるという見解を共有したこと--などを示している。
 また「ポツダム・イニシアティブ-生物多様性2010および10の行動」は議長総括文書の付属書として位置づけられており、その内容には、(一)地球規模で生物多様性を損失することの経済的重要性、(二)科学と政策の間の接点向上、(三)生物多様性に関する情報・意識向上ツール「地球規模の生物種情報システム」構築の検討、(四)生産と消費のパターンに関する政策の統合強化、森林違法伐採対策の実施、(五)野生動物違法取引に関する協力強化、(六)侵略的外来生物種の特定、阻止、統制管理に関する取組みの拡大と国際協力の強化、(七)海洋保護区の地球規模ネットワークに関する調査研究の拡大と協力強化、(八)気候政策と生物多様性政策の連携向上、(九)資金調達のための革新的機構に関する検討、(十)2010年目標(注1)の達成、およびそれ以降のための国家目標・戦略の策定、実施--が盛りこまれている。

(注1)2010年目標は、02年開催の生物多様性条約第6回締約国会議で採択された目標で、「2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」という内容。

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139~161件めの京都メカニズム案件承認

 経済産業省に申請されていたクリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクト16件と共同実施(JI)プロジェクト7件が、平成19年4月23日付けで「京都メカニズム推進・活用会議」に承認され、日本政府の正式なプロジェクトとなった。
 CDMは各国の削減目標達成のための市場原理を活用した国際的な仕組み「京都メカニズム」の1つで、先進国と途上国が共同で温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施し、達成された温室効果ガス削減分の一部(認証排出削減量)を先進国が自国の削減量として充当することを認める制度。また、JIも「京都メカニズム」の1つで、先進国(または東欧などの経済移行国)同士が共同で温暖化対策事業を行い、その事業によって削減された排出削減分を事業の投資国と実施国とで分け合うことができる制度。
 日本政府の正式なプロジェクトとなるためには温暖化対策関連省庁のいずれかに承認申請を提出し、関連省庁が共同で開催する「京都メカニズム推進・活用会議」で承認されることが必要。
 今回承認された案件はいずれも、九州電力(株)、四国電力(株)、中国電力(株)、中部電力(株)、東京電力(株)、東北電力(株)、三井物産(株)、ミット・カーボンファンド(株)、三菱商事(株)、国際協力銀行の10者が共同で申請した案件。
 このうちCDMプロジェクト案件は、中国での実施分が5件、ブラジル、インドネシアでの実施分が各2件、チリ、コロンビア、コスタリカ、グアテマラ、フィリピン、南アフリカ、ウガンダでの実施分が各1件。JI実施案件はブルガリア、チェコでの実施分が各2件、ハンガリー、ラトビア、ポーランドでの実施分が各1件。排出削減できる二酸化炭素量は総計で年2,412.9万トン(二酸化炭素換算、CDM総計2352.6万トン、JI総計60.3万トン)にのぼる。
 また日本としては139~161件めの正式な京都メカニズム承認案件にあたっている。

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「伝えたい木の文化、残したい美しい森」に決定 美しい森林づくり推進国民運動キャッチフレーズ

 林野庁は平成19年5月9日、公募を行っていた「美しい森林づくり推進国民運動」のキャッチフレーズが決定したと発表した。
 「美しい森林づくり推進国民運動」は、「美しい国、日本の礎となる森林づくり運動を官民連携で進めていくべきだ」とする安倍首相の閣僚懇談会での指示を受けスタートした運動。木材利用の推進、山村の地域づくり、森林づくりへの参加促進などをめざし、政府全体で運動を進めるほか、経済界、NPO、自治体、農林水産業界の代表らが参加する「美しい森林づくり全国推進会議(仮称)」・その各都道府県版「地方推進会議」などを設置し、官民連携による森林づくり活動を進めるとしている。
 運動の趣旨をわかりやすく伝えるキャッチフレーズの公募は19年3月14日から4月13日まで行われ、519通の応募案件の中から、愛知県春日井市の立磨朋士さん(24歳)の「伝えたい木の文化、残したい美しい森」が審査委員会で入選作(優秀賞)に選ばれた。
 このほかに、新潟県燕市の森山勉さん(71歳)の「育てよう!小さな苗木の大きな未来」、宮崎県宮崎市の和田勉さん(74歳)の「森づくり 環境世紀の パスワード」、熊本県熊本市の村上真菜さん(12歳)の「未来の森 もりもりひろがる 森林づくり」が佳作に、山梨県甲斐市の有井操さん(91歳)の「植えておけ!やがて役立つ、森林となる」が特別賞に選ばれた。
 入選作は、ポスター、チラシなどさまざまな媒体に、「美しい森林づくり推進国民運動」のキャッチフレーズとして掲載される予定で、受賞した立磨朋士さんに対しては、19年5月12日開催の「みどりの感謝祭」で表彰を行う。

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国連森林フォーラム第7回会合

 2007年4月16日から27日まで、米国・ニューヨークの国連本部で、国連森林フォーラム第7回会合(UNFF7)が開催され、国連加盟国100か国以上、森林関係の国際機関・条約事務局、NGO・産業界などから多数の出席者が参加した。
 UNFFは00年10月の国連経済社会理事会で、全ての森林で持続可能な経営を推進することを目的として設立された組織。
 今回の会合では、第6回会合での合意内容を盛りこんだ「全タイプの森林に関する法的拘束力を持たない文書(Non-Legally Binding Instrument=略称:NLBI)」と、NLBIの内容を実施していくための「多年度作業計画」が検討され、採択された。
 NLBIは、「森林減少傾向の反転」、「森林由来の経済的・社会的・環境的便益の強化」、「保護された森林・持続可能な経営を行っている森林面積の大幅増加とこれらの森林からの生産物増加」、「持続可能な森林経営のためのODA減少傾向の反転」--の4つを2015年までの世界的な目標にすることや、各国が取り組むべき持続可能な森林経営の推進策の内容を盛り込んだ文書。
 また「多年度作業計画」は、(1)2015年まで国連森林フォーラムの会合を2年に1度開催し、4つの世界的目標の進展やNLBIの履行状況を検討すること、(2)今後の各会合で、気候変動、生物多様性などの個別テーマや、分野横断的な課題「実施手段」、「森林法の施行・運営(ガバナンス)」を検討すること、(3)地域レベルの取組みを促進し、その成果を地球規模のレベルに反映させていくこと--を示す文書。
 この2文書は今後、国連経済社会理事会でも決議され、採択される予定。
 なお、環境省は今回の結果について、「2文書の採択は世界の持続可能な森林経営促進にとって前進であると評価できるが、法的拘束力のないこれらの文書が今後実効性を持つかどうかは、各国が(文書に示された)約束を着実に果たしていくかにかかっている」とコメントした。

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18年の日本周辺海域の海洋汚染 発生確認件数470件

 海上保安庁は平成19年5月2日、18年の日本周辺海域での海洋汚染確認件数が、17年の確認件数360件よりも110件増えた計470件だったと発表した。
 原因物質別では、油による汚染が306件(17年:229件)、廃棄物による汚染が106件(同:94件)、有害液体物質による汚染が8件(同:3件)、赤潮による汚染が23件(同:18件)、青潮による汚染が3件(同:3件)、工場排水などによる汚染が24件(同:13件)--にのぼり、青潮以外のすべての原因で確認件数が17年より増加していた。
 このうち油による汚染306件については、船舶からの排出によるものが210件と約68.6%を占め、その汚染発生理由(注1)は、取扱不注意が142件(約57.7%)、海難39件(約15.9%)、破損26件(約10.6%)と偶発的な内容が多かった。
 また油以外による汚染計138件(注2)中では、廃棄物の不法投棄など陸上からの排出が85件と約61.6%を占め、汚染発生理由は故意によるものが124件と大半(約89.9%)にのぼっていた。
 一方、18年に送致した海上環境法令違反件数は、17年の621件より59件増加した680件に。
 内訳としては海洋汚染防止法違反が440件(約64.7%)と大半を占め、廃棄物不法投棄などの廃棄物処理法違反が152件(約22.4%)、港則法違反が73件(約10.7%)、水質汚濁防止法違反が10件(約1.5%)、その他が5件(約0.7%)だった。海洋汚染防止法違反の中では、船舶からの油の不法排出の152件、廃船不法投棄の140件、が多かった。


(注1)汚染発生理由に関するパーセンテージは、油による汚染306件中、排出源不明の60件を除く246件に対する割合を示したもの。
(注2)油以外による汚染件数138件は、油以外による汚染件数の総計164件から赤潮23件、青潮3件を除いたもので、すべて排出源が判明したとしてい
る。

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POPs条約第3回締約国会議

 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の第3回締約国会議が、2007年4月30日から5月4日にかけて、セネガルのダカールで開催された。
 POPs条約は、環境中での残留性が高いPCB、DDT等の12種類の化学物質を対象とした条約。対象物質の製造・使用禁止、排出削減措置についての国内実施計画の策定、対象物質を含むストックパイル・廃棄物の適正管理などが盛り込まれており、04年5月17日に発効している。
 今回の締約国会議は、(1)条約の有効性評価、(2)条約の対象物質の追加を検討するPOPs検討委員会の活動報告、(3)非意図的生成物質の放出減--などが検討された。
 このうち、条約の有効性評価については、世界モニタリング計画・第1回有効性評価のための実施計画が採択されるとともに、第4回締約国会議で予定されている第1回有効性評価完了に向け、地域グループや調整グループの設置が合意された。地域グループは国連5地域(アジア太平洋、欧州、西アジア、アフリカ、ラテンアメリカ・カリブ)ごとに設置し、地域の実情を踏まえて、既存データの取りまとめ、追加的モニタリング、地域レポートの作成などの業務を担当し、また調整グループはこれらの地域レポートをまとめた上で第4回締約国会議に提出する第1回有効性評価案の作成を担当する。
 条約の対象物質の追加を検討するPOPs検討委員会の活動については、5物質(クロルデコン、リンデン、ペンタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモビフェニル、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)--の人の健康・環境への評価を行った第2回委員会の報告が行われたほか、非意図的生成物質の放出削減については、06年11月に行われた「BAT/BEP(利用可能な最良の技術/慣行指針)関する指針案を検討する専門家グループ」第2回会合でまとめられた、新指針案が採択された。
 第4回締約国会議は09年5月にジュネーブで開催される予定

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