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2007年04月

地球温暖化・環境問題:07年度第2期北西太平洋鯨類捕獲調査

 2007年度の第2期北西太平洋鯨類捕獲調査(沿岸域調査)が07年4月16日から5月末まで実施される。

 北西太平洋鯨類捕獲調査は、国際捕鯨委員会(IWC)を設置した国際捕鯨取締条約第8条に基づき実施している調査で、1994年から99年まで実施したミンク鯨の系統群調査を主目的とした第1期調査が終了し、00年からは海洋生態系の総合的管理への貢献に重点を移し、鯨と漁業の競合関係の解明を目的とした第2期調査が行われている。

 今回の調査は、4隻の標本採集船が主に宮城県石巻市鮎川を中心とした半径30マイル海域内でミンククジラ60頭の捕獲調査を行い、胃の内容物に含まれる餌生物種の同定、内容物量の測定を行うほか、餌生物調査船1隻があらかじめ設定された調査線上を航走し、計量魚探、トロール網を使って餌生物調査を行う。三陸沖の調査は03年、05年、06年に続き4回目

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地球温暖化・環境問題:19年度物流効率化推進事業 補助金対象事業を19年5月16日まで公募

 中小企業庁は、19年度物流効率化推進事業補助金の対象事業公募を平成19年5月16日(必着)まで実施している。

 この補助金は、中小企業によって構成される組合や任意団体が進める、物流効率化のための「調査研究・基本計画策定事業」、「事業計画・システム設計事業」、「実験的事業運営事業」が助成対象。
 採択されると、謝金や交通費、会議費、通信費など補助対象経費の60%が国から補助される。ただし「調査研究・基本計画策定事業」では618万円、「事業計画・システム設計事業」では1,241万円、「実験的事業運営事業」では2,184万円が1件あたりの補助限度額となっている。

 応募する場合には、規定の提出書類正1部、副(コピー可)2部を活動地区を所管する各経済産業局担当課に提出することが必要。

 物流効率化には、物流コスト低減などの経済効果とともに、CO2や排ガス排出抑制などの環境面での効果が期待されている。

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地球温暖化・環境問題:「底質のダイオキシン類対策技術資料集」を公表

 国土交通省は同省の「底質ダイオキシン類対策技術検討委員会」の検討の成果を「底質のダイオキシン類対策技術資料集」としてまとめ、平成19年4月13日に公表した。

 14年に底質のダイオキシン類に関する環境基準値が設定されたことを受け、国土交通省は15年6月に「河川、湖沼等における底質ダイオキシン類対策マニュアル(案)」を策定し、同省が管理する河川、湖沼で環境基準値を超える底質のダイオキシン類汚染が確認された場合、このマニュアルに基づき対策を講じるという方針を示していた(注1)。

 しかし15年時点では、安全で経済的に処理できる対策技術が十分に確立されていなかったため、学識経験者で構成される「底質ダイオキシン類対策技術検討委員会」を16年度に設置。18年度までの3年をかけて、主要な底質ダイオキシン類対策技術である分解無害化処理技術(注2)、原位置固化処理技術(注3)、覆砂処理技術(注4)について、実証試験などを実施した上で各技術の実用化に向けた検討を行ってきた。

 今回公表された「資料集」は、「第1章 総則」、「第2章 対策の基本的考え方」、「第3章 対策技術の概要」、「第4章 分解無害化処理技術の検証」、「第5章 原位置固化処理技術の検証」、「第6章 覆砂技術の検証」の6章構成。対策の経緯、関連法令、対策の基本的考え方、分解無害化処理技術、固化処理技術、覆砂処理技術それぞれについての実証試験などの結果、結果に対する評価をとりまとめている。
 
(注1)国土交通省・地方公共団体が11年から実施している調査の中で、22河川の底質について、ダイオキシン類の環境基準超過事例が確認され、その対策が緊急の課題となっている。
(注2)河川から掘削除去した汚染底質に含まれるダイオキシン類を高温加熱や微生物の作用などにより分解して無害化する技術。
(注3)汚染底質を移動することなく、セメントなどの固化剤を混合して、原位置で固化す技術。ダイオキシン類が周辺環境に拡散することを
防ぐ。
(注4)汚染底質を移動することなく、汚染箇所の表層を良質な砂で覆うことで、ダイオキシン類が周辺環境に拡散することを防ぐ技術

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地球温暖化・環境問題:国交省と経産省、アスベスト含有建材を検索できるデータベースの19年3月版を公表

 国土交通省と経済産業省は平成19年4月13日、石綿(アスベスト)を含有建材データベースの19年3月版を公表した。

 このデータベースは、住宅・建築物解体工事現場での建材のアスベスト含有の有無に関する判断を助け、適切な飛散防止対策の実施を進めることを目的に作成されたもので、機能としては、建築物の竣工年、施工部位などから、建材メーカーが過去に製造したアスベスト含有建材の種類、名称、製造時期、含まれているアスベストの種類・含有率などを検索できるようになっているほか、建材の名称、メーカー名から、含まれているアスベストの種類・含有率などを探すこともできる。

 今回公表された19年3月版は、18年12月13日公表の「18年12月版」を改訂したもので、(1)「耐火防火構造・材料等便覧(12年)」に掲載されている建材データのうち、石綿含有の可能性があるものを関係業界団体、建材メーカーらに確認してもらった結果や、(2)18年12月版以降に建材メーカーらから新たに報告された建材データ--を反映させている。

 データベースは使用許諾条件に同意し、ウエッブサイトからダウンロードしたファイルをコンピュータにインストールすることで利用可能

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地球温暖化・環境問題:神栖市の地下水監視調査 2か所のモニタリング孔で新たにジフェニルアルシン酸検出

 茨城県神栖市の井戸水から高濃度の有機ヒ素化合物・ジフェニルアルシン酸が検出された問題により、環境省、茨城県、神栖市がA・B2つの汚染井戸周辺外縁で実施している地下水監視調査で、19年4月12日までに、B井戸周辺地区南西部分のモニタリング孔「M-30」、「M-31」の2か所から、1リットルあたり0.002から0.007ミリグラムのジフェニルアルシン酸が新たに検出された。

 「M-30」、「M-31」とも、18年12月にジフェニルアルシン酸検出が確認されたモニタリング孔「M-27」の地下水下流側に新たに設置されたモニタリング孔。

 今回の結果を踏まえ、環境省、茨城県、神栖市は16年7月に「国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会」が決定した、モニタリングと飲用井戸水の安全確保指針に基づき、汚染が確認された「M-30」、「M-31」から半径約200~800メートル圏内にある(1)井戸水の飲用自粛指導と、(2)全飲用井戸の調査実施、(3)仮設給水所の設置--などの対策を行うことにした。

 なお今後は(2)の調査結果をもとに、井戸水汚染の可能性がある範囲を決定し、その周辺で新たなモニタリング孔を設定し継続的なモニタリングを行う方針。

 ジフェニルアルシン酸は戦後製造されていない化学物質で、神栖市には第二次世界大戦中に旧日本軍関係施設が設置されていたことがあるため、当初、これらの施設との関連で汚染がおこったと推測されていた。

 ただしその後の調査で、汚染井戸周辺の地中に高濃度ヒ素を含むコンクリート様の塊が発見され、この塊の中に「平成5年6月」と記された空き缶が含まれていたことなどから、「5年以降にジフェニルアルシン酸そのものがコンクリートのようなものに混ぜられて投入された可能性が高い」という汚染原因推定結果が、17年6月開催の「国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会」で報告されている。

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地球温暖化・環境問題:政府による民間事業者からの京都メカニズムクレジット購入

 京都メカニズムを活用して民間事業者などが得るクレジット(注1)を政府が購入する事業で、06年度の実施結果が2007年4月13日に公表された。

 この事業は、経済産業省と環境省からの委託を受け、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施しているもの(注2)。

 公表内容によると、NEDOは06年度に、丸紅(株)、ローディアジャパン(株)、陝西興龍熱電有限公司、西安大唐製薬集団有限公司(ともに中国)、Carbon Resource Management Ltd.(英国)の5社と、6つのCDMプロジェクトから得られる見込みのクレジット購入契約を締結した。

 6プロジェクトで得られるクレジットは、二酸化炭素換算にして約638万トンにのぼるが、06年度中に実際に政府へに移転されたクレジットはなかった。

(注1)京都メカニズムは京都議定書に導入されている、市場原理を活用した温室効果ガス削減目標達成のための措置。クレジットは京都議定書で削減目標達成に使用することが認められる排出量の単位

(注2)日本の温暖化防止対策の基本方向を示す「京都議定書目標達成計画」では、国内で最大限努力してCO2排出削減に取組んでも、議定書の削減目標に及ばない差分(90年比排出量のマイナス1.6%分)について、京都メカニズムを活用して対応する方針を示すとともに、「06年度から京都メカニズムの活用によるクレジットの取得を政府として進める」ことが規定されている。

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地球温暖化・環境問題:環境省とイオン、循環型社会構築をめざした自主協定締結

環境省は平成19年4月16日に、総合スーパー大手のイオン(株)と、循環型社会構築を目的とした自主協定を、東京・霞ヶ関の環境大臣室で締結する。

 この協定は、18年2月に中央環境審議会が環境大臣に意見具申した、容器包装リサイクル法の見直し内容の中で、廃棄物発生抑制や再使用推進に関する企業の自主的取組みを加速する手法として提案されていたもの。

 環境省にとっては、(株)ローソンや、(株)モスフードサービスとの協定に続き、3件目の企業との協定にあたる。

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地球温暖化・環境問題:19年度エコ燃料実用化地域システム実証事業

 環境省は、事業実施者の公募を行っていた平成19年度「エコ燃料実用化地域システム実証事業」で、大阪府の事業提案を採択したことを19年4月13日付けで公表した。

 この事業は、大都市圏で実用化段階に近い規模のバイオエタノール3%混合ガソリン(E3)の流通体制を構築し、自立的なエコ燃料生産・利用システムの成立を実証することが目的。

 植物バイオマスの燃焼時に放出されるCO2は、「光合成により大気中から吸収したCO2の再放出であり、大気中のCO2を増加させない」と京都議定書で位置づけられているため、バイオエタノールをガソリンに混合したE3の利用は、CO2排出削減への効果が期待できる。日本の京都議定書目標達成計画でも、22年度に原油換算50万キロリットルのバイオマス由来燃料の導入を見込んでいる。

 大阪府の提案は、バイオエタノール・ジャパン・関西(株)が製造する建設廃木材を原料とするバイオエタノールを調達し、中国精油(株)岡山油槽所でE3を製造した上で、大阪府域10~15箇所程度のガソリンスタンドで販売するというもの。あわせて、E3の品質管理手法や社会的受容度についての検証、E3利用拡大のための取組み、E3製造・流通・販売に関する事業性・採算性の評価も行うとしている。

 E3の製造・販売の開始は、必要な設備整備後の19年8月初旬から開始される予定で、販売価格は大阪府で販売されているレギュラーガソリンの平均価格と同程度と想定されている。
 また、品質管理手法・社会受容性の検証は、事業の共同実施者、E3利用者、学識経験者らで構成する評価委員会の助言を得ながら進めるとされている。

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地球温暖化・環境問題:アジアの市長による環境的に持続可能な交通に関する国際会議

 2007年4月23・24日に京都市左京区の国立京都国際会館で開催される「アジアの市長による環境的に持続可能な交通(EST)に関する国際会議」への参加都市、プログラムの内容が、07年4月12日までにほぼ固まった。

 この会議は、07年5月4日から7日にかけ、京都で開催される「第40回アジア開発銀行年次総会」関連イベントとして開催されるもので、アジア地域で環境にやさしい交通の実現をめざした取組みを続けてきた環境省と国際連合地域開発センター(UNCRD)や、アセアン環境的に持続可能な都市に関する作業部会(AWGESC)、(財)地球環境戦略研究機関(IGES)が主催する。

 4月12日までに判明した参加都市は、アジア地域17か国(アセアン10ヵ国と日中韓、モンゴル、インド、バングラデシュ、スリランカ)の30都市。

 プログラムとしては、アジア開発銀行代表者とトゥアン・AWGESC委員長による基調演説、4つの分科会とその総括セッションの実施、「アジアの都市におけるEST推進のための市長宣言」の検討・採択が予定されている。

 この会議の傍聴希望者は、名前、職業(所属)、連絡先住所、電話番号、傍聴希望日などの必要事項を記入の上、07年4月13日までに、電子メール、FAX、特設WEBサイトのいずれかから申し込むことが必要。宛先は(財)地球環境戦略研究機関アジアEST市長会議事務局(FAX番号:03-5216-3115、電子メールアドレス:est2007regist@iges.or.jp)。参加定員は100名で、定員になり次第、募集は締め切られる。

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地球温暖化・環境問題:副生HCBの最良削減可能レベルを示す第2次報告書

 工業原料として使用されているテトラクロロ無水フタル酸(TCPA)を合成する際に、化審法の第1種特定化学物質(注1)であるヘキサクロロベンゼン(HCB)が副生することが判明した件に関連し、環境省、経済産業省、厚生労働省が設置した評価委員会は、「ソルベントレッド135以外のTCPAを原料とする顔料」、「ピグメントブルー15を塩素化して得られる顔料」に含有される副生HCBの工業技術的・経済的に実現可能な最良の削減可能レベル(注2)を検討した報告書を、草案に対する意見募集結果も踏まえて、平成19年4月12日までにまとめた。

 評価委員会は、18年2月にTCPA合成時にHCBが副生された事例が報告されたことに対応し、18年11月にTCPAと、これを原料とする顔料「ソルベントレッド135」中の副生HCBの削減レベルに関する報告書(注3)を取りまとめ済み。

 今回の報告書は、18年11月の報告書で染料・顔料中のHCB最良削減可能レベルとされた10ppmを超えてHCBを含有する「ソルベントレッド135以外のTCPAを原料とする顔料」、および18年3月に副生HCB含有が判明した「ピグメントブルー15を塩素化して得られる顔料」について、HCB最良削減可能レベルを改めて検討した第2次報告にあたる。

 検討結果として、(1)削減のための知見が十分ではない、PY138以外の全てのTCPA由来顔料について「10ppm」をHCB最良削減可能レベルとすることを改めて提言するとともに、PY138についての検討を継続すべきと提言。また、(2)ピグメントブルー15を塩素化して得られる顔料中のHCB最良削減可能レベルについては、PG36のHCB最良削減可能レベルを10ppmとすることを提案する一方、HCB含有量のばらつきが大きいPG7はHCB最良削減可能レベルの値を特定せず、検討を継続するとした。

 なお、19年2月8日から3月9日まで実施された、この報告書の草案に対する意見募集では、24件の意見が寄せられた。

 意見にたとえば、「(俎上にのぼっている)全物質について期限を決めて代替品を開発し、将来的にはダイオキシン類やHCB発生源となる化学物質の製造・販売・使用を削減・禁止すべき」という内容があり、この意見に対しては、「ある化学物質の製造に際して第一種特定化学物質の副生が不可避な場合に、可能であれば代替化を進めることが望ましいことは報告書案にも示されている。しかし、今回の検討対象となった各顔料については、いずれも耐候性などの性能を満足する代替品が無い状況であるため、『BAT』に基づく対応をとることにした」という考え方が示されている。

(注1)化審法の第1種特定化学物質は「難分解性」、「高濃縮性」、「人に対する長期毒性または高次補食動物への生態毒性」--の3種の有害性をあわせ持つ物質とされており、この指定を受けた物質は製造、輸入が原則禁止され、使用用途も制限されている。
(注2)化審法では、化学物質製造時に第1種特定化学物質の副生が避けられない場合に、「利用可能な最良の技術(POPs条約でいうBAT:Best Available Technology)」を適用し、工業技術的・経済的に可能なレベル」まで低減すべきという考えを採用している。
(注3)この報告は、TCPAに含有される副生HCBの最良削減可能レベルを200ppmとしたほか、TCPAを利用して製造されるソルベントレッド135などの染料・顔料中のHCB最良削減可能レベルを10ppmとしている。

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