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2007年04月

地球温暖化・環境問題:国立環境研究所「第1期中期計画」研究成果

(独)国立環境研究所は2007年3月30日、「第1期中期計画」にもとづく重点特別研究プロジェクト2件、政策対応型調査研究1件の成果報告書を公表した。
 「第1期中期計画」は、国立環境研究所の独立行政法人化に伴い定められた研究計画。13~17年度の5年間を対象期間とし、重点特別研究プロジェクトとしては6つのプロジェクト、政策対応型調査研究としては2分野の研究が行われていた。

  今回成果報告書が公表されたのは、重点特別研究プロジェクトのうちの(1)成層圏オゾン層変動のモニタリングと機構解明プロジェクト、(2)内分泌かく乱物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクト、および政策対応型調査研究の(一)化学物質環境リスクに関する調査・研究。

 このうち、「成層圏オゾン層変動のモニタリングと機構解明プロジェクト」は、人工衛星を利用したオゾン層観測、地上設置遠隔計測機器によるオゾン層モニタリングを行うとともに、これらの監視・観測データを活用したオゾン層変動機構の解明、成層圏数値モデルの開発、オゾン層の将来変動の予測を行ったもの。

 成果報告書は、人工衛星「みどり」、「みどり2」に搭載された成層圏監視センサー「ILAS」・「ILAS2」による観測が、人工衛星の不具合により、ともに1年に満たず終了を余儀なくされたが、その限定された観測期間中の間に、大規模なオゾン層破壊が起こった北極域や当時最大規模に発達した南極オゾンホールを捉えることに成功したこと、化学気候モデルを利用した南極オゾンホールの変化予測の数値実験で、オゾンホールが2020年ごろに縮小傾向に転じ、21世紀半ば過ぎにはほとんど観測されなくなるものとの予想が得られたことなどが説明されている。

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地球温暖化・環境問題:国立環境研究所成果報告書

(独)国立環境研究所は2005年度に終了した特別研究4件の成果報告書を07年3月30日付けで公表した。

 成果報告書が公表されたのは、(1)大陸規模広域大気汚染に関する国際共同研究(研究期間:01~05年度、研究代表者:畠山史郎)、(2)有害化学物質情報の生体内高次メモリー機能の解明とそれに基づくリスク評価手法の開発に関する研究(研究期間:03~05年度、研究代表者:藤巻秀和)、(3)有害フッ素化合物等POPs様汚染物質の発生源評価・対策並びに汚染実態解明のための基盤技術開発に関する研究(研究期間:03~05年度、研究代表者:柴田康行)、(4)湿地生態系の自然再生技術評価に関する研究(研究期間:03~05年度、研究代表者:野原精一)。

 このうち(1)は、硫黄酸化物系の大気汚染と窒素酸化物・光化学大気汚染系の大気汚染とが混在する中国の広域大気汚染を、「観測」・「モデルによるシミュレーション」の両面から解明すること、その結果をインド・東南アジアの大陸規模の広域大気汚染の現象解明、その管理・制御にも役立てること--をめざしたもので、中国国内の大気汚染物質の航空機観測を日中国際共同研究として初めて手がけたほか、中国の大気汚染物質の排出予測などを実施した。

 今回の報告書は、「中国で95~00年に窒素酸化物放出量増加、二酸化いおう減少、またはその両方が起こった」ことが把握されたこと、標準的な前提条件による推計で、「中国の二酸化硫黄排出量は2010年以降減少するが、窒素酸化物排出量は今後30年増加する」という結果が得られたことなどを、成果として報告している。

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地球温暖化・環境問題:政府事業で排出される温室効果ガス 新抑制計画が閣議決定

 平成19年3月30日開催の閣議で、政府の事務・事業に伴い排出された温室効果ガス抑制対策の新たな実行計画が閣議決定された。今回の閣議決定は、14年7月に閣議決定された従来の「実行計画」が18年度で終了したことに伴うもの。

 新たな「実行計画」は、19年度~24年度を計画期間とし、「22年度~24年度の平均温室効果ガス排出量を13年度比で8%削減すること」を政府全体の目標として設定。各府省庁それぞれの排出量についても、この削減目標を達成すべきとしたほか、従来目標が未達成だった一部府省庁については、目標からの超過排出分を今回の削減目標に上乗せするという方針が示されている。

 また、目標達成のために取り組むべき措置には、従来計画に盛りこまれていた、温室効果ガス排出抑制に配慮した製品・サービスの購入、建築物の省エネ徹底などに加え、18年の臨時国会での安倍総理が行った所信表明演説の内容を踏まえて、庁舎への太陽光発電導入・建物緑化に関する各府省ごとの整備計画の策定・実施、建築物設計者選定にあたっての環境性能の重視など、具体的な取組み内容が追加された。
 政府の事務・事業に伴い排出される温室効果ガスの量は、引き続き、毎年度推計され公表される予定

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地球温暖化・環境問題:政府機関のグリーン購入 17年度の環境負荷低減効果を試算

 環境省は平成17年度に国などの公的機関がグリーン購入を進めた結果、達成された環境負荷低減効果の評価をまとめ、19年4月2日付けで公表した。

 公表内容によると、グリーン購入法で重点的に調達を推進すべきとされている品目(特定調達物品)について、国が17年度に基準に適合する製品を調達した割合は、146品目中(注1)136品目が95%以上と、16年度に続き、きわめて高い水準にあった。

 その環境負荷低減効果としては、(1)省エネタイプのOA機器・家電製品、低公害車の導入により、導入前に比べると約6万1,451トンのCO2が削減された(注2)こと、(2)コピー用紙で国の調達量全て(17年度5万8,008トン)がバージンパルプ100%の用紙であった場合と比較すると、16万6,000立方メートルの原材料のパルプ材を削減したこと--などが報告されている。

 また評価は、国が特定調達物品を購入したことが国内の一般市場に与えた影響にも触れ、コピー用紙のように国などの調達量が市場全体の調達量の約2割(17年度は20.2%)を占める品目については、グリーン購入法の存在が直接的な市場形成に大きく貢献しているとしたほか、12年度から17年度までの間に国内出荷量中の基準適合品の割合が急増した(注3)文具類でも、国がグリーン購入法に基づき初期需要を創出したことが大きな影響を与えたと指摘している。

(注1)公共工事分野以外の品目を対象にしている。
(注2)購入した製品の使用年数を5年と想定した場合、5年分のC
O2削減量。
(注3)国内出荷量中の特定調達物品の割合が増加した文具類の代表
例としては、「12年度:15.7%→17年度:39.8%」のシ
ャープペンシル、「12年度:13.0%→17年度:48.2%」
のボールペンなどがあげられる。

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地球温暖化・環境問題:自治体のグリーン購入 調達方針作成自治体は31.8%

 環境省は全国の地方自治体を対象に実施していたグリーン購入への取組み状況や問題点についての平成18年度のアンケート調査結果を19年4月2日までにまとめた。

 このアンケート調査は18年10月から19年1月まで、全国1,887の地方自治体(47都道府県、14政令指定都市、788市区、1,038町村)に調査票を郵送する形で実施し、うち1,224自治体(回収率:64.9%)から回答が寄せられたもの。

 都道府県・政令市では、グリーン購入「調達方針」策定率が100%になるなど、高いレベルで取組みが進んでいるが、「調達方針」作成自治体は、区や市では47.5%、町や村では10.7%と、自治体の規模が小さくなるにつれ、取組みが遅れている傾向は18年度も継続していた。また全自治体の「調達方針」策定率は31.8%にとどまったが、17年度の27.8%と比べると4%増加していた。

 グリーン購入に取り組む上での阻害要因としては、「物品・役務」・「公共工事」とも、「価格が高い(44.9%と36.1%)」、「組織としてのグリーン調達に対する意識が低い(35.6%と31.5%)」という回答が多かった。

 製品ジャンル別の普及状況としては、紙類では69.2%、文具類では50.4%、0A機器では24.8%の自治体が「グリーン購入法で重点的に調達を推進すべきとされている品目(特定調達物品)が一般製品と同程度普及している」という回答が寄せられ、グリーン購入が定着していることが窺われたが、それ以外の品目については「同程度普及している」という回答は20%以下にとどまっていた。

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地球温暖化・環境問題:事業者部門174名、市民部門168名の環境カウンセラーを新規登録

 環境省は平成19年4月2日、18年度の環境カウンセラー登録者として、事業者部門で174名、市民部門で168名の環境カウンセラーを新規に登録したと発表した。

 環境カウンセラー登録制度は、環境保全活動に関する専門的な知識や豊富な経験を持つ人材で環境省の実施する書面・面接審査に合格した人を、環境保全活動についての助言ができる「環境カウンセラー」として登録・公表する制度。平成8年度の制度開始以来、毎年1回登録希望者を募集・審査しており、合格者は事業者部門、市民部門にわけて登録されている。

 18年度も含め、これまで登録された全環境カウンセラーの数は事業者部門2,473名、市民部門1,907名(両部門への登録者290名)。

 登録されたカウンセラーは企業内で行われる環境に関する勉強会や、地方自治体が開催する市民向けの講習会などに出向き、積極的に活動している。

 なお、環境カウンセラーによるカウンセリングを希望する場合は環境省の「環境カウンセラー」ホームページなどでニーズに合ったカウンセラーを探し、個々のカウンセラー連絡先に直接申し込むことが必要だ。

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地球温暖化・環境問題:TICAD「持続可能な開発のための環境とエネルギー」閣僚会議を開催

 日本政府は、国際連合、アフリカのためのグローバル連合(GCA 注1)、国連開発計画(UNDP)、世界銀行との共催で、2007年3月22・23日にケニアのナイロビで、「アフリカ開発会議(TICAD)持続可能な開発のための環境とエネルギー閣僚会議」を開催した。

 日本の主導により1993年に始まったTICADは、アフリカ開発をテーマとする国際会議。日本政府と国連(アフリカ特別調整室(OSAA)・UNDP)、GCA、世界銀行の共催により開催されており、08年には日本で第4回会議「TICAD 4」が日本で開催されることが決まっている。

 今回の会議は、開発による深刻な環境問題が貧困削減の障壁となっているアフリカで「持続可能な開発」を実現するためには、経済発展と環境保護の両立が不可欠であるという認識の下、環境とエネルギーの統合的な取組みについて議論を行ったもの。

 72か国(うちアフリカ45か国)と約30の地域機関・国際機関、NGOなど約40団体から500名以上が参加が参加し、(1)「オーナーシップ(各国の自助努力)の構築」・「地域協力の推進」・「パートナーシップの深化」の重要性、(2)環境、エネルギー、その他の開発課題の相互連関性、(3)気候変動・適応(注2)問題の重要性、(4)エネルギー・アクセスの重要性、代替エネルギー・省エネ技術の役割・潜在性、(5)南南協力の重要性--などが論点となった。

 このうち、気候変動と適応問題については、気候変動に対して脆弱なアフリカ大陸で適応問題に取組むことが持続可能な開発の視点から重要課題となることが強調された。また、南南協力については、複雑で多元的なアフリカの環境・エネルギー問題に対処するために、アフリカだけでなく他地域の過去・現在の経験から得られた教訓を共有化することの重要性が認識され、アジア・アフリカ間の協力をTICADの枠組みで推進すべきことが指摘された。

(注1)アフリカ開発の優先分野について、関係国・機関間の国際的議論の場を提供する非政府組織。
(注2)海面上昇に対する堤防の建設など、気候変動による悪影響への対応措置。これまでの条約交渉で、途上国側には先進国に途上国の適応策支援を期待する声が多い。

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地球温暖化・環境問題:グリーン物流とエコポイント研究会の報告書

 流通・物流業界にエコポイント制度を導入することをめざして、経済産業省と国土交通省が設置した「グリーン物流とエコポイント研究会」は平成19年3月30日、この制度の内容に関する検討結果をまとめた報告「エコポイントのグリーン物流への展開」を公表した。

 エコポイント制度は、レジ袋を断るなど環境配慮行動をとった消費者にポイントを付与し、消費者がそのポイントをためると、一定のポイント数に応じて好きな商品の購入や寄付などに活用できる制度。05年に開催された愛・地球博ではこの制度を活用した「EXPOエコマネー」が導入され、好評を博していた。

 今回の報告は、(1)宅配便を対象にした「消費者版エコポイント」と、(2)企業のグリーン物流の取り組みをエコポイントとして評価する「企業版エコポイント」--の2種類のエコポイントのモデル事業案を提案し、詳細な制度案を示している。

 このうち「消費者版エコポイント」は、消費者が近所のコンビニで宅配便を受け取り、再配達を減らした場合などにポイントを付与し、貯めたポイントをポイントの発行主体となっている企業に提示することにより、環境にやさしい商品やサービスとの交換、植樹への寄付などに利用できるとするもの。また「企業版エコポイント」は、「グリーン物流パートナーシップ会議(注1)」の活用を想定し、参加企業が自社の物流分野の環境負荷低減活動の実績をとりまとめ、ポイント発行主体の「グリーン物流パートナーシップ会議」に報告すると、成果に応じてポイントが認定され、そのポイント数を国や自治体が実施する補助金交付事業や大臣表彰申請のアピール材料として使うことができるとするもの。

 さらに、原材料・部品の調達から商品が店頭に運ばれてくるまで、その商品の物流情報をトータルに管理した上で、開示していくような「流通版エコポイント」のアイディアが示唆されたが、これについては次の段階の取り組みとして、詳細な制度設計を検討する必要があるとしている。

(注1)荷主と物流事業者の物流面でのパートナーシップを拡大し、物流分野のCO2排出量削減策の強化をめざしている組織で、日本ロジスティクスシステム協会、日本物流団体連合会、経済産業省、国土交通省、日本経済団体連合会(オブザーバー)の協力により04年12月に発足した。07年2月19日現在の参加企業・団体数は2,612、参加している個人の数は72に達している。

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地球温暖化・環境問題:農水省所管15団体中目標達成は2団体 06年度環境自主行動計画検証結果

 農林水産省所管の食品産業15団体の温暖化防止に関する「自主行動計画」の2006年度検証結果と同計画の課題についてのとりまとめが、07年3月30日までにまとまった。

 「自主行動計画」は、主に産業部門の各業界団体がその業種での環境保全を促進するため、自主的に策定した環境行動計画。日本が京都議定書の削減約束を達成するための基本方針を示した「京都議定書目標達成計画」では、この環境自主行動計画を「産業・エネルギー転換部門での温暖化防止対策の中心的役割を果たすもの」と位置付け、計画の透明性・信頼性・目標達成の確実性を向上させるために、関係審議会で定期的な追跡調査を行うことを求めている(注1)。

 今回、検証対象になった15団体は、食品製造業13団体、食品流通業1団体、外食産業1団体。
 検証結果としては、15団体中14団体が2010年度を目標年としたCO2排出削減に関する数値目標を設定し、うち7団体で前年度より排出削減が進んだことが報告されたが、一方で実際に数値目標を達成した団体が2団体にとどまり、数値目標達成が困難と考えられる団体もみられることが課題として指摘された。

 また、この結果を踏まえ、目標達成団体に対しては目標の引き上げ、未達成団体に対しては目標達成の可能性の精査、計画未策定団体に対しては早急な計画策定--などを求めていくことが方向性として示された。

(注1)検証は業種を所管する省庁ごとに行われており、06年度は経産省で33団体、国交省で24団体、農水省で15団体、総務省で6団体の「自主行動計画」が検証された。

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地球温暖化・環境問題:19年度の「こどもエコクラブ」会員募集を開始

 環境省は、平成19年度の「こどもエコクラブ」の参加募集を開始した。
 「こどもエコクラブ」は、環境省が地方公共団体と連携し実施している、幼児から高校生までなら、誰でも参加できる環境活動クラブ。次世代を担う子どもたちが人と環境との関わりについて体験を積み重ねながら、環境を大切にする心を育んでいくことを目的としており、入会金、年会費は無料。

 平成7年度の事業開始以来、18年度までに全国で約4,800クラブ、約13万7,500人の小中学生が参加している。

 参加申込みは、全国の都道府県または市区町村の環境担当課が窓口となっており、幼児から高校生まで2人以上のグループで応援役の大人が1人以上いれば、誰でも参加できる。

 登録したクラブには、環境省から、会員手帳、メンバーズバッジが配布されるほか、年4回ニュースレターが配布される。また、活動の内容を年4回報告してくれたこども会員には「アースレンジャー認定証」も贈られる。

 現在参加者が多い自治体(都道府県)ベスト3は、兵庫県(参加者:3万1,076人・クラブ数:228クラブ)、滋賀県(参加者:8,493人、クラブ数:218クラブ)、愛知県(参加者:7,566人・クラブ数:661クラブ)。【環境省】

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