1 日本では、どのような方法で温室効果ガス6%減を達成していくのかについて「地球温暖化対策推進大綱」を1998年に策定し、2002年3月に改訂されました。
大綱の温室効果ガス削減策は、本来の目的である国内温室効果ガス排出削減と、それ以外の対策に分けられます。
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大綱で定めた削減項目
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大綱の目標
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2002年
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国内での排出削減 △0.5%
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エネルギー起源の CO2削減
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0% |
+10.2% |
非エネルギー起源の CO2・メタンなどの削減
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△0.5% |
△0.9% |
代替フロン等 3ガスの削減 |
+2.0% |
△1.7% |
革新的技術開発と 国民の努力
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△2.0% |
評価困難 |
その他 △5.5%
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森林経営等による吸収量の確保
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△3.9% |
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京都メカニズム
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△1.6% |
- |
合計
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△6.0% |
+7.6% |
このうち、「エネルギー起源の二酸化炭素の削減」に注目すると、対90年比で±0.0%となっているため、数値だけを見ると、現状維持のように思えますが、1990年を基準にすると温室効果ガス排出量が増えつづけているため、2002年では約10%と大幅な削減が必要になっています。
また、「森林経営による吸収量の確保」とは、適切な間伐などの森林を管理することによって樹木の成長を促し、CO2の吸収量を増やそうというものです。しかし、これは本来の議定書の目的を外れた取組みだといえますし、実際にこれだけの吸収ができるかどうかも疑問です。
さらに、「京都メカニズム」の温室効果ガス削減の内容は次のとおりですが、これも国内の温室効果ガス排出を減少させるという目的からは外れた内容となっています。
@ クリーン開発メカニズム
温室効果ガス排出量の数値目標が設定されている先進国が協力して、数値目標が設定されていない途上国内において温室効果ガス排出削減(又は吸収増大)などのプロジェクトを実施し、その結果生じた温室効果ガス排出削減量(又は吸収増大量)をプロジェクト参加国間で分け合うこと。
A 共同実施
温室効果ガス排出量の数値目標が設定されている先進国同士が協力して、先進国内において温室効果ガス排出削減(又は吸収増大)などのプロジェクトを実施し、その結果生じた温室効果ガス排出削減量(又は吸収増大量)をプロジェクト参加国に移転すること。
B 排出量取引
温室効果ガス排出量の数値目標が設定されている先進国間で、温室効果ガス排出枠の獲得・移転(取引)を認めるもの。
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