風力発電については、大規模設備の300KWクラスのLCAでは、53gCO2の排出を行いますが、これは生産・設置にかかるものです(財 電力中央研究所「電中研レビュー第45号」2001.11)。家庭用の小型風力発電では、データーがありませんが微々たるものであると想像がつきますし、設置後は完全にクリーンなエネルギーに間違いありません。
風力発電機には、小型・高性能で出力が大きいタイプ、回転音の静かな風車、耐風速が大きい風車な
ど、幾つかの特徴があります。一般的には、羽根が2〜3枚羽根風車は、高速回転可能で発電効率が
高く、羽根が5〜6枚の多羽根風車は、回転音が静かで頑丈などの特徴を持っています。
しかし、家庭用の小型風力発電機の出力は、大きなものでも400Wであるため、家電製品で常時使用す
るようなケースには不向きです。また、この高出力タイプの発電機は、騒音が大きいため、住宅地で
設置すると、ご近所からの苦情も気になるところです。エコなつもりが、エゴになってしまいます。
また、発電力は風速の3乗に比例するので、一般的な市街地では平均風速が低いため、ほとんど役に立たない状況にあります。このため、2003年になって、風速2mでも発電を開始するものとして、神鋼電機から垂直回転軸タイプのジャイロミル型ブレード(風車)の製品が販売されており、これは音は静かなのですが、340Wの定格出力で価格は設置工事を含めて70万円程度であるため、太陽光発電と比較すると、かなりのコスト高となってしまいます。
風力発電については、実益を求めるというよりも、むしろ環境問題を考えるシンボル的な製品としてとらえるのが正しいのではないかと思います。
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