TOPページ > 2007年06月

2007年06月

省エネ型自然冷媒冷凍装置導入で15事業所への補助決定

 省エネ型で自然冷媒を使った産業用冷凍装置の普及をめざしている環境省は、2007年度に省エネ型低温用自然冷媒冷凍装置を導入する15事業所について、導入に必要な経費の補助を行うことを、07年6月4日までに決定した。
 自然冷媒冷凍装置とは、冷媒にフロンではなく、アンモニア、CO2、空気などを使用した冷凍装置のこと。
 食品産業や各種化学プラントで使われる産業用冷凍装置については近年、温暖化対策、オゾン層対策両面に有効な、省エネ型自然冷媒冷凍装置が開発されているものの、従来の冷凍装置より導入費用が高額になることから、普及が進んでいない。
 今回の補助は、民間企業、独立行政法人、公益法人などの事業者が省エネ型自然冷媒冷凍装置を導入することにより、京都議定書第1約束期間(08年~12年)の温室効果ガス排出量削減に寄与する事例について、装置導入に必要な費用と従来のフロン冷媒冷凍装置の差額の3分の1を、1事業所あたり2,500万円を上限として国が助成するもの。
 15件の補助金総額は約1億6,497万円。二酸化炭素にして約6,500トン分の排出削減が見込まれているため、削減1トンあたりの補助金額は2万5,380円となる計算だ。
 なお、環境省ではさらに自然冷媒冷凍装置の普及を進めるため、07年6月4日から29日(必着)まで、この補助事業の2次募集を実施する。応募を行う場合は、必要書類と応募様式ファイルを保存したフロッピーディスクを、郵送で管轄の地方環境事務所へ提出することが必要。
 なお、補助を受けた事業者は、導入後の温室効果ガス削減量を把握し、その効果を広報することが義務づけられている。環境省は、これらの導入効果を取りまとめ、装置のさらなる普及を支援する予定

    Trackbacks (0)

クリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクト6件

 経済産業省に申請されていたクリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクト6件が、平成19年5月28日までに「京都メカニズム推進・活用会議」に承認され、日本政府の正式なプロジェクトとなった。
 CDMは各国の削減目標達成のための市場原理を活用した国際的な仕組み「京都メカニズム」の1つで、先進国と途上国が共同で温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施し、達成された温室効果ガス削減分の一部(認証排出削減量)を先進国が自国の削減量として充当することを認める制度。
 日本政府の正式なプロジェクトとなるためには温暖化対策関連省庁のいずれかに承認申請を提出し、関連省庁が共同で開催する「京都メカニズム推進・活用会議」で承認されることが必要。
 今回承認されたのは、住友商事(株)が申請した(1)中国福建省屏南県での発電機容量50MW規模の水力発電プロジェクト(年平均CO2排出削減量:CO2換算で11.3万トン)、(2)中国福建省福安市での発電機容量24MW規模の水力発電プロジェクト(同:5.9万トン)、(3)中国・中国青海省海北蔵族自治州での合計容量25MW規模の水力発電プロジェクト(同:9.6万トン)、(4)甘粛省定西区での複合型水力発電所改修・拡大プロジェクト(同:22.8万トン)、中部電力(株)が申請した(5)インド・カルナタカ州タラカラレ村での発電容量22MW規模の流れ込み式水力発電所建設プロジェクト(同:9.6万トン)、豊田通商(株)が申請した(6)中国・重慶市での廃熱回収発電プロジェクト(同:21万トン)。
 日本としては176~181件めの正式な京都メカニズム承認案件にあたる。

    Trackbacks (0)

環境にやさしい次世代自動車・燃料の試乗・説明会を実施

 2007年の夏の軽装(クールビズ)がスタートした6月1日、首相官邸の中庭で、環境にやさしい次世代自動車・燃料の試乗・説明会が行われた。
 安倍首相は、バイオ燃料、電気自動車、燃料電池自動車、水素自動車などの説明を受けた後で、みずからハンドルを握り、「性能が随分向上して素晴らしい車ができた。また車体、エンジンだけでなく、それを動かすエネルギーも極めて重要だとあらためて実感した」とコメントした。
 首相が07年5月24日にあきらかにした、気候変動問題に対する日本の新戦略「美しい星50」には、2050年までに、世界全体の温室効果ガスの排出量を半減させることを目標として、日本が革新的技術の開発と、環境に調和したライフスタイル・社会システムづくりに積極的に取組むべきことが示されるとともに、その取組み内容の1つとして、次世代自動車の早期普及が盛りこまれている。

    Trackbacks (0)

環境配慮製品開発支援事業 19年度支援対象企業の募集

 経済産業省は平成19年度「製品グリーンパフォーマンス高度化推進事業」の支援対象となる企業を19年6月29日17時(必着)まで募集する。
 この事業は、メーカーや部品・部材供給企業が環境配慮製品開発に向けて、環境配慮設計(DfE)、ライフサイクルアセスメント(LCA)などの手法を導入することを支援するとともに、ウェブサイトなどを通じ、これらの企業の取組みや、製品情報を広く提供するもの。
 今回募集するのは、(1)大手組立メーカーのサプライチェーンを構成する上流・中流企業で、系列をグループを構成し、共通手法を採用することが適当な企業群、(2)組立メーカーに中間製品を納入し、製品製造の中流を担う独立系中堅企業の業種別グループを構成する企業群、(3)地域地場産業でエコプロダクツ製品開発を目指す地域連帯企業群。
 採択企業に対する具体的な支援内容は、(1)DfE・LCAに関する実務研修や「エコプロダクツの開発設計の必要性」を解説する経営層向けセミナーの企業内での開催、(2)DfE実施体制構築やLCA評価に関するにコンサルティング業務の実施(注1)、(3)参加企業の取組みを新設するウェッブサイト「グリーンパフォーマンス企業プラザ」や19年12月開催の「エコプロダクツ展」を通じた一般への情報提供--など。参加企業の費用負担はない。
 応募は全国6か所の地域拠点機関が郵送、FAX、電子メールにより受付けている。事業全般の問い合わせ先は、(社)産業環境管理協会LCA開発推進室(担当:壁谷武久・中野勝行、住所:〒101-0044東京都千代田区鍛冶町2-2-1三井住友銀行神田駅前ビル、電話番号:03-5209-7708、FAX番号:03-5209-7716、電子メールアドレス:gp@jemai.or.jp)。【経済産業省】

(注1)DfE実施体制構築に関する個別企業コンサルは、おおむね1社3~4回を予定。一方、LCA評価は優良事例12事例(社)程度に絞って実施予定

    Trackbacks (0)

「容器包装廃棄物3R推進モデル事業」の19年度実施地域を公募開始

 環境省は、自治体、事業者、消費者らの協働により地域で容器包装廃棄物の3R(注1)を推進する事業「容器包装廃棄物3R推進モデル事業」の平成19年度実施地域の公募を開始する。
 この事業は、18年6月に公布された改正・容器包装リサイクル法の推進をめざすもので、18年度に7地域のモデル地域を対象にスタートした。容器包装廃棄物の3Rに関して先進的な取組みをしている地域の活動について、その効果を検証した上で全国に紹介するとしている。
 応募の資格がある事業は、(1)容器包装廃棄物の3R推進に関する事業である、(2)地方公共団体や消費者らの連携関係の下に行われる事業である、(3)創意工夫に優れているか、先進的な事業である、(4)19年度中に具体的な実証事業が行われる、(5)営利を目的とした事業でない、(6)事業終了後も、活動の継続が期待できる--の6点をすべて満たすもの。
 また応募資格がある事業主体は、NGOなどの民間団体、任意団体、大学など。国や自治体、営利目的の団体は応募対象とならない。
 応募する場合は、規定の申請書に必要事項を記入し、申請団体の概要が把握できる資料とともに、郵送もしくは宅配便により提出することが必要。提出部数は1部で、締切りは19年6月29日(当日消印有効)。宛先は環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室(担当:橋本・安藤、(住所:〒100-8975東京都千代田区霞が関1-2-2)

    Trackbacks (0)

地域バイオマス発見活用促進事業、10組織が事業実施候補者

平成19年5月28日に開催された農林水産省「地域バイオマス発見活用促進事業」の第3者審査委員会で、同事業に応募した34の組織の中から、10組織が事業実施候補者に決定した。
 「地域バイオマス発見活用促進事業」は、農林水産省が19年度からスタートさせた事業。(1)各地域で使われずに眠っているバイオマス量の把握と、把握結果をもとに、各地域のバイオマス利活用の機運を盛り上げる普及・啓発活動を行う「地域事業」、(2)各地域のバイオマス利活用の核となる人材育成、「地域バイオマス発見活用協議会全国会議」の開催、バイオマス利活用の障害となっている収集・運搬コスト削減策の検討などを行う「全国事業」から構成されている。
 公募対象となっていたのは、民間団体(企業、公益法人、協同組合、企業組合、NPO法人、学校法人、特殊法人、認可法人、独立行政法人)のうち、「この事業を行う意志、具体的計画、事業を的確に実施できる能力を持つ」、「この事業の経理・その他の事務について、適切な管理体制・処理能力を持つ」、「日本国内に所在し、補助事業全体や交付された補助金の適正執行に責任を持つことができる」の3要件を満たす団体。
 「地域事業」は9つの農政局ブロックごとに1組織を採択のところ、30組織から応募があり、「全国事業」は1組織を採択のところ、4組織から応募があったという。
 今回、「地域事業」の実施候補として決定したのは、北海道地域では(株)日本総合研究所、東北地域では(株)循環社会研究所、関東地域では(株)エックス都市研究所、北陸地域では(財)日本システム開発研究所、東海地域ではNPO法人東海地域生物系先端技術研究会、近畿地域では内外エンジニアリング(株)、中国四国地域では(株)廃棄物工学研究所、九州地域ではNPO法人九州バイオマスフォーラム、沖縄地域ではNPO法人亜熱帯バイオマス利用研究センター。
 また「全国事業」に関しては(社)日本有機資源協会が事業実施候補者に選定された。

    Trackbacks (0)

国の庁舎のグリーン化を申し合わせ 地球温暖化対策推進本部幹事会

 2007年5月30日に開催された地球温暖化対策推進本部幹事会(注1)で「国の庁舎のグリーン化」についての申し合わせが行われた。
 政府の事務・事業に伴い排出された温室効果ガス抑制に関しては、19年度~24年度を計画期間とし、「22年度~24年度の平均温室効果ガス排出量を13年度比で8%削減する」という目標を設定した「新抑制実行計画」が19年3月30日に閣議決定されている。
 今回の申し合わせには、政府による温室効果ガス抑制の取組みを一層進めるため、2012年度までに、(1)延床面積1000平米以上の国の全庁舎について、構造上・立地上の不都合(注2)がない限り、太陽光発電の導入か建物緑化を行うこと、全庁舎で(2)全白熱灯をランプ型蛍光灯に入れ替えるとともに、直管型蛍光灯への省エネ効果が高いHf型蛍光灯の採用、高効率反射板の取付けなどの措置を進めること、(3)照明、空調、熱源、給湯、電力、躯体、エネルギー管理、家電製品などの各分野で、リストアップした37のグリーン化対策(注3)を進めること--が盛りこまれている。

(注1)地球温暖化対策推進本部は、京都議定書の着実な実施に向けた温暖化防止対策を総合的に推進するため、9年12月に閣議決定により内閣に設置された組織。内閣総理大臣が本部長、内閣官房長官、環境大臣、経済産業大臣を副本部長、その他のすべての国務大臣を本部員とする。幹事は、関係行政機関の職員から内閣総理大臣が任命を行うことになっており、本部の所掌事務について、本部長、副本部長、部員を助ける役割を受け持っている。
(注2)耐震性能を満たしていない、屋上に設置スペースがない、日陰で太陽光発電の効率が見込めない、長期間屋根面が雪に埋没するなどのケースが想定されている。
(注3)リストには空調分野で16、照明と躯体分野で各5、熱源分野で4、家電製品分野で3、給湯、電力、エネルギー管理、その他の分野で各1の具体的なグリーン化対策が示されている。

    Trackbacks (0)

「21世紀環境立国戦略」が閣議決定

 2007年6月1日開催の閣議で、世界の環境政策の枠組みづくりに向けた日本の貢献指針「21世紀環境立国戦略」が閣議決定される見込みになった。
 「21世紀環境立国戦略」は、安倍首相が07年1月26日に行った第166回国会施政針演説の中で策定を提唱していたもので、環境省は中央環境審議会に特別部会を設置し、内容を検討していた。
 今回、閣議決定される戦略の内容は、07年5月29日付けの中環審の意見具申を踏まえて、「伝統的な日本の自然観を現代に活かした美しい国づくりの推進」、「環境保全と経済成長・地域活性化の両立」、「世界・アジアの持続可能な発展への貢献」に向けた取組みを進めることにより、「持続可能な社会の日本モデルの構築・発信」を実現するとしている。
 また、(1)気候変動問題、(2)生物多様性保全、(3)持続可能な資源循環、(4)公害克服の経験と智慧を活かした国際協力、(5)環境・エネルギー技術を中核とした経済成長、(6)地域づくり、(7)人づくり、(8)環境保全対策を推進する仕組みづくり--の8分野について、今後1、2年で着手すべき重点政策も示されている。

    Trackbacks (0)

政府による19年度夏季の省エネ要請内容を公表 クールビズ、ESCO事業導入など要請

 平成19年5月30日に開催された、政府の省エネルギー・省資源対策推進会議省庁連絡会議で、政府関係機関、地方公共団体、産業界、一般家庭、NGOなどに対する、19年度夏季の省エネルギーについての要請内容を決定した。
 このうち政府機関に対する省エネ要請項目としては、冷房室温が28℃を下回らないようにすること、「軽装(クールビズ)」での勤務など省エネ行動を徹底すること、新しい省エネのイメージが受け入れられるような広報やエネルギー教育に取組むこと、庁舎の省エネ改修を重点的に実施することなどのほか、幅広い庁舎にESCO事業(注
1)を導入すること、政府主催のイベントの運営を他機関に委託する場合は、できるだけグリーン電力を活用すること--などが盛りこまれている。
 また工場や事業場に対しては、省エネ法に基づく省エネ管理の徹底や自主的・計画的な省エネへの取組み、ESCO事業を含む省エネ診断の実施、従業員に対する省エネ研修の実施--などを要請。
 家庭や一般のオフィスに対しては、エネルギー消費効率の高い家電・OA機器の購入と利用にあたっての省エネ徹底、エネルギー効率の良い建築設備の設置、室温28℃をめどとした冷房室温の適正化--などに取り組むことを求めるとともに、運輸関係者に対しては、省エネ法にもとづくエネルギーの管理の徹底、省エネ性能に優れた自動車の購入、物流効率化、公共交通機関の利用促進、エコドライブ、自動車の利用をできる限り控えること--などを求めている。【資源エネルギー庁】

(注1)ESCOはEnergy Service Companyの略称で、一定の効果を保証する包括的な省エネサービスを提供する事業のこと。機器導入費などの必要経費は省エネによる経費削減分の一部でまかなわれ、導入者に過度の経済的負担をかけず、省エネが実現できることが特徴

    Trackbacks (0)

17年度VOC排出量は12年度排出分の81.6%

 環境省は揮発性有機化合物(VOC)排出量を推計した新たな「VOC排出目録」に関する報告を、19年5月31日に公表した。
 大気汚染の原因物質の1つであるVOCについては、18年4月1日から完全施行された「改正・大気汚染防止法」の中に、規制と事業者の自主的取組みを組合せて排出抑制を行うとの方針が盛り込まれ、18年3月にまとまった、中央環境審議会「揮発性有機化合物(VOC)排出抑制専門委員会」の報告には、事業者の自主的取組み支援のために、VOC排出目録の整備・更新を行う必要性が指摘されていた。
 今回公表された目録は、VOC削減規制の基準年とされている12年度の既存目録の見直し、17年度の目録の新規作成を行ったもので、中環審・VOC排出抑制専門委員会の指摘による修正が加えられている。
 作成にあたっては、(1)発生源の抽出の系統化によるデータ精度の向上、(2)VOC削減規制の目標年度である22年度まで継続的に統計可能な推計方法への変更--を行った。
 なお推計された全国の17年度VOC排出量は、12年度排出量(年約147万トン)の81.6%にあたる年約121万トンだった。
 発生源ごとの推計方法・推計結果の詳細は、報告書の別冊に集約されている。
 なお、環境省は19年度に、報告で示された推計方法や精度に関する検証を継続し、法規制、自主的取組みなどの区分ごとのVOC排出削減量を推計した上で、「改正・大気汚染防止法」にもとづく取組みの進捗状況の把握に役立てていきたいとしている。

    Trackbacks (0)

1 2 3 4 5 6