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地球温暖化のメカニズム

日本と中国が2013年以降の気候変動枠組みで対話

 (財)地球環境戦略研究機関(IGES)と中国・能源研究所(ERI)及び韓国・啓明大学校は2007年9月13、14日の両日、中国・北京の国宏ホテルで「2013年以降の気候変動枠組みに関する非公式対話:中国」を開催した。
 今回の対話には日本、中国、韓国及び他のアジア途上国の政策担当者、産業界、有識者をはじめ、主要先進国や国際機関の開発援助関係者等計約70名が参加し、京都議定書に規定されていない2013年以降の気候変動対策の枠組みの在り方に関して、(1)セクター別(産業分野別)アプローチ、(2)低炭素技術、(3)気候変動への適応(注1)、(4)コベネフィット・開発便益(注2)--の4テーマに即して意見交換が行われた。
 このうちセクター別アプローチは、現行の枠組みにおいて拘束力のある目標を持たない国をより効果的に巻きこんでいくための第一歩となる可能性があることが指摘された一方で、全体としての削減に効果的かという観点を踏まえるべきとの指摘があった。
 セクター別アプローチに関しては、前回行われたのインドでの非公式対話の中で指摘されていた「制度化」に関しても議論されたが、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のもとでの制度化の可能性については、UNFCCCがセクター別取組に関する専門性を有していないことが障害になるとの指摘あった。
 また、途上国において低炭素技術を普及促進を進めるためには、政府が政策や経済面で積極的な役割を果たし、発展途上に陥りやすい旧式な高炭素技術への「ロックイン」を回避する必要があるとの指摘が出された。
 気候変動への適応に関しては、途上国における深刻な資金不足の解消方法について環境汚染に対する原因者負担の原則や気候変動による受益者負担、将来的には保険業界の役割が重要になるとの意見も出された。
 優先事項である途上国における気候変動対策を促進させるためには、開発ニーズの充足と同時に温室効果ガスの排出削減をもたらすコベネフィット(相乗便益)アプローチに関しては、その定量化手法を巡り多くの議論がなされた。また、CDMとの二重計上について十分注意する必要があるとの指摘が出された。

(注1)洪水、干ばつ、海面上昇に伴う堤防建設など気候変動による影響への対応策。
(注2)温室効果ガス排出削減を行うついでに得られる、エネルギー効率改善、大気汚染改善などの他分野の好ましい効果のこと。相乗便益ともいう。環境破壊の抑止、貧困・地域格差解消など、途上国が抱える開発問題に関してコベネフィッツが実現すると、途上国側の温暖化対策・CDMに対する主体性を高めることができると期待されている。




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