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2007年07月
CO2の海底貯留に向け、細則を整備へ
平成19年5月30日に公布された「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(海洋汚染防止法)」改正内容の施行に向けた細則を整備するために、環境省は同法施行令改正概要案と「特定二酸化炭素ガスに係る判定基準等を定める省令(仮称)」制定概要案を公表し、これらの案について19年8月22日まで、意見募集を行うことにした。
海洋汚染防止法の改正内容は、ロンドン条約よりも海洋投棄ができる廃棄物の範囲を限定する、同条約の「1996年議定書(注1)」の批准をめざした規定の整備と、温暖化対策として国際的に関心が高まっているCO2の海底貯留(略称:CCS 注2)の実施に関する海洋環境保全策の整備が目的で、(1)廃棄物の海底下廃棄の原則禁止、(2)CO2の海底下廃棄に関する許可制度の創設--などの内容が盛りこまれていた。
今回の意見募集対象案のうち、「海洋汚染防止法施行令」改正概要案は、(1)海底下廃棄の禁止が適用除外される、鉱物資源掘採時に発生する油などの海底下廃棄海域に関する基準、(2)海底下廃棄が可能なCO2が大部分を占めるガスの基準--を規定するとともに、(3)海洋汚染防止法にもとづく計画に従いCO2の海底下廃棄がされた海域を、形質変更により海洋環境保全上の障害が生じるおそれのある海域に指定するとしている。
また、「特定二酸化炭素ガスに係る判定基準等を定める省令(仮称)」制定概要案は、「海洋汚染防止法施行令」改正概要案が環境省令で定めるとしていたCO2回収方法、回収方法の区分ごとのC02濃度基準を定めるもの。回収方法は「アミン吸収法(アミン溶液を用いて、化学反応により二酸化炭素を回収する方法)」により、その際のC02濃度基準は、体積ベースでCO2が99%以上であること」とされている。
意見は郵送、FAX、電子メールで受付けている。宛先は環境省地球環境局環境保全対策課(住所:〒100-8975東京都千代田区霞が関1-2-2、FAX番号:03-3581-3348、電子メールアドレス:kaiyou03@env.go.jp)。意見提出時には規定の様式にもとづいて、意見を提出すること。【環境省】
(注1)正式名称は「1972年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約1996年議定書」。06年3月24日に発効した。
(注2)発電所や工場などの大規模排出源から分離回収した二酸化炭素を地層や海中に貯留する技術。05年に公表されたIPCCのCCS特別報告書では「大気中温室効果ガス濃度安定化における主要対策の1つ」と位置付けられており、欧米諸国・産油国でも、商業レベル、研究レベルの具体的なCCSプロジェクトが進行してきている。
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全国の映画館・百貨店・スーパーマーケット・銀行が冷房温度を緩和へ 「チーム・マイナス6%」事務局の呼びかけに応じて
政府が進める温暖化防止のための国民運動「チーム・マイナス6%」事務局の呼びかけに応じて、2007年夏に、全国の映画館、百貨店、スーパーマーケット、銀行で、冷房温度を緩和する取組みが開始されることになった。
今回の呼びかけは、環境省が06年12月に約1,200名を対象に実施したアンケート調査で、回答者が「冷房が効きすぎている」と感じた場所の上位に上がったパブリックスペース(注1)に対して行ったもの。
07年7月23日に把握されている情報では、この呼びかけに、(株)松竹の映画館51館、日本百貨店協会加盟94社の266店舗、(株)ダイエーの351店舗、(株)三井住友銀行の約500店舗、(株)三菱東京UFJ銀行約700店舗、(株)びわこ銀行の約70店舗などが応え、冷房温度を緩和することになった。
なお、「チーム・マイナス6%」事務局は今後も引き続き、冷房温度の緩和などの「クール・ビズ」実施を呼びかけていく方針で、その実施状況を随時報告する予定。【環境省】
(注1)アンケート結果で「冷房が効きすぎている」という指摘が多かった場所は、スーパーマーケット(43.0%)、電車(36.5%)、デパート/百貨店(29.6%)、飲食店(27.4%)、コンビニエンスストア(25.7%)、映画館・劇場(22.5%)、銀行(20.1%)など。
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社が名乗り 「1人1日1kgのCO2削減」応援キャンペーン
政府が進める温暖化防止のための国民運動「チーム・マイナス6%」事務局が募集を始めた、「1人1日1kgのCO2削減」応援キャンペーンの協賛企業に、大阪ガス(株)、関西電力(株)、東京ガス(株)、東京電力(株)、(有)ヨネヤマプランテイション、ワタミ(株)の6社が平成19年7月17日までに参加を申し出た。
このキャンペーンは、安倍首相が提案した新たな国民運動「1人1日1kgのCO2削減(注1)」の一環として実施されるもので、「チーム・マイナス6%」内特設サイトで、温暖化防止の取組みへの「私のチャレンジ宣言(注2)」を行った人に対し、協賛企業が商品の割引、ポイント還元率アップなどのサービスを行うとしている。
今回協賛企業への参加を申し出た6社のうち、大阪ガスと東京ガスのサービスは、高効率給湯器であるエコジョーズ、エコウィルの購入者で「私のチャンレンジ宣言カード」を提示した人に粗品を提供するもの。
また東京電力では、高効率電気給湯機「エコキュート」設置者で「チャレンジ宣言カード」を提示した人に5,000円とCO2削減証明を贈呈。関西電力では「チャレンジ宣言カード」を同社営業所に持参した人にCO2削減に役立つ粗品を贈呈する--としている。
(有)ヨネヤマプランテイションでは「チャレンジ宣言カード」を持参者の会員カード入会料(300円)を無料にするほか、ワタミ(株)ではグループの国内外食各店舗に「チャレンジ宣言カード」を持参した人に対するワンドリンクサービスを8月から開始する。【環境省】
(注1)安倍首相が19年5月に発表した気候変動に関する日本の新戦略「美しい星50」の中に盛りこまれている。「美しい星50」は、(1)2050年までに、世界全体の温室効果ガスの排出量を半減させることを目標とした革新的技術の開発と、環境に調和したライフスタイル・社会システムづくり、(2)京都議定書が規定していない2013年以降の気候変動対策の国際的な枠組みづくりに向けての提案、(3)「1人1日1kgの温室効果ガス削減」を目標とした国民運動の展開--の3点を包括的な政策として示したもの。
(注2)特設サイトでは、日常生活の中で実践できる37の温暖化防止の取組みとその取組みを実行した場合の1人1日分のCO2排出削減量が示されており、自分が挑戦しようと思う内容を選択し、実施を宣言すると、宣言した取組みの一覧とC02の合計削減量が登録者の「宣言カード」として表示される仕組みになっている。「宣言カード」は自分のパソコンに保存することが可能。
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196件めまでの京都メカニズム案件承認 CDM5件
経済産業省に申請されていたクリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクト5件が、平成19年7月6日までに「京都メカニズム推進・活用会議」に承認され、日本政府の正式なプロジェクトとなった。
CDMは各国の削減目標達成のための市場原理を活用した国際的な仕組み「京都メカニズム」の1つで、先進国と途上国が共同で温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施し、達成された温室効果ガス削減分の一部(認証排出削減量)を先進国が自国の削減量として充当することを認める制度。
日本政府の正式なプロジェクトとなるためには温暖化対策関連省庁のいずれかに承認申請を提出し、関連省庁が共同で開催する「京都メカニズム推進・活用会議」で承認されることが必要。
今回承認されたのは、電源開発(株)が申請した(1)中国四川省黒水県での発電出力55メガワット規模の水力発電プラント建設・運営プロジェクト(年平均CO2排出削減量:CO2換算で20.2万トン)、日揮(株)が申請した(2)中国安徽省淮北市のセメント工場での低温排熱回収発電プロジェクト(同:2.2万トン)、三菱商事(株)が申請した(3)中国広西壮族自治区柳州市の肥料・化学企業での硝酸テールガスからの亜酸化窒素(N2O)除去プロジェクト(同:93万トン)、三菱UFJ証券(株)が申請した(4)インドネシアバンテン州タンジェラン市での13.6メガワット規模の天然ガス熱電併給プロジェクト(同:4.1万トン)、関西電力(株)が申請した(5)マレーシア・ボルネオ島サバ州でのやし殻・有機廃水コンポスト化プロジェクト(同:2.9万トン)。
これらは日本としては191~196件め(注1)の正式な京都メカニズム承認案件にあたる。【経済産業省】
(注1)上記5件以外に、経済産業省と国土交通省が支援担当省庁となった、インドネシア南スラウェシ州での小規模水力発電プロジェクトが19年7月5日に承認されており、194件めのCDMプロジェクトとしてカウントされている。
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気候変動による水資源リスク増大に対応し、総合的水資源管理を検討
国土交通省水資源部は水資源部長の私的研究会として「気候変動等によるリスクを踏まえた総合的な水資源管理のあり方研究会(座長:虫明功臣・福島大学理工学群教授)」を新たに設置し、その第1回会合を平成19年7月18日に経済産業省庁舎内で開催する。
この研究会は、従来の水資源開発による量的充足ではなく、限られた水資源を有効活用する総合的水資源管理を進めることによって、気候変動による水資源のリスク増大に対応することを目的に設置されるもので、委員には水資源、水文学、水環境、行政法などの専門家10名が参加している。
具体的には、「需要側と供給側の両方から水資源管理をどのよう進めていくべきか」に関する基礎的事項として、(1)水資源に関わるリスクの現状整理、(2)気候変動に関する知見、気候変動が水資源にもたらすリスクの評価、(3)今後の総合的な水資源管理の方向性、(4)提言内容--を検討する。提言は19年12月頃にまとめられる予定
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気候変動による水資源リスク増大に対応し、総合的水資源管理を検討
国土交通省水資源部は水資源部長の私的研究会として「気候変動等によるリスクを踏まえた総合的な水資源管理のあり方研究会(座長:虫明功臣・福島大学理工学群教授)」を新たに設置し、その第1回会合を平成19年7月18日に経済産業省庁舎内で開催する。
この研究会は、従来の水資源開発による量的充足ではなく、限られた水資源を有効活用する総合的水資源管理を進めることによって、気候変動による水資源のリスク増大に対応することを目的に設置されるもので、委員には水資源、水文学、水環境、行政法などの専門家10名が参加している。
具体的には、「需要側と供給側の両方から水資源管理をどのよう進めていくべきか」に関する基礎的事項として、(1)水資源に関わるリスクの現状整理、(2)気候変動に関する知見、気候変動が水資源にもたらすリスクの評価、(3)今後の総合的な水資源管理の方向性、(4)提言内容--を検討する。提言は19年12月頃にまとめられる予定
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地球温暖化京都メカニズム案件承認 CDM4件
経済産業省に申請されていたクリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクト4件が、平成19年6月29日までに「京都メカニズム推進・活用会議」に承認され、日本政府の正式なプロジェクトとなった。
CDMは各国の削減目標達成のための市場原理を活用した国際的な仕組み「京都メカニズム」の1つで、先進国と途上国が共同で温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施し、達成された温室効果ガス削減分の一部(認証排出削減量)を先進国が自国の削減量として充当することを認める制度。
日本政府の正式なプロジェクトとなるためには温暖化対策関連省庁のいずれかに承認申請を提出し、関連省庁が共同で開催する「京都メカニズム推進・活用会議」で承認されることが必要。
今回承認されたのは、東京電力(株)が申請した(1)中国甘粛省蘭州市での51.5メガワット規模の自流式水力発電所建設プロジェクト(年平均CO2排出削減量:CO2換算で18.3万トン)、(2)チリのパルプ・製材工場での30メガワット規模のバイオマスコジェネレーション発電所建設・運営プロジェクト(同:10.3万トン)、(3)チリの合板工場での30メガワット規模のバイオマスコジェネレーション発電所建設・運営プロジェクト(同:9.8万トン)、日本カーボンファイナンス(株)が申請した(4)メキシコ・ファレス市の廃棄物埋立場でのランドフィルガス(注1)回収発電プロジェクト(同:15.5万トン)。
日本としては187~190件めの正式な京都メカニズム承認案件にあたり、全承認プロジェクトの年平均CO2排出削減量の合計はCO2換算で8,524.3万トンとなった。【経済産業省】
(注1)ごみの埋立処分場で、ごみが微生物によって分解されることによって発生するガス。
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北極の気候変動に関する新知見を掲載 07年6月21日発行の「ネイチャー」
ストックホルム大学のJan Backman教授ら、2004年8月8日から9月14日まで実施された統合国際深海掘削計画(IODP)北極海掘削航海に参加した欧州の科学者らが、その成果としてまとめた、北極の気候変動の新知見に関する論文が、07年6月21日発行の雑誌「ネイチャー」に掲載された。
IODPは、海洋科学掘削船を使って深海底を掘削することにより、地球環境変動や地震発生メカニズムの解明、地殻内生命の探求をめざしている国際研究協力プロジェクト。03年10月に日米により発足して以来、現在までに、欧州17か国で構成される欧州海洋研究掘削コンソーシアム、中国、韓国など21か国が参加している。日本が提
供する地球深部探査船「ちきゅう」、米国が提供する科学掘削船、欧州が提供する特定任務掘削船などがプロジェクトに利用されている。
今回、「ネイチャー」に掲載された論文は、04年の北極海掘削航海で、北極点に近い北極海ロモノソフ海嶺の頂上付近で、海底下428メートルまでの堆積物試料を採取したところ、この試料に記録された化学的・物理的特性と微古生物学的特徴から、新生代期(6,500万年前~現在)の北極海の古環境の変遷について初めて地質学的な証拠が得られ、北極海で海洋循環が始まった証拠が見つかったとするもの。
IODP北極海掘削計画の研究チームは、古くは内陸部に封じ込められた(陸封の)湖沼のような状態にあった北極海が、酸素に乏しく、塩分濃度が低い河口の汽水状態のような環境を経て、新生代の前期中新世の後期にあたる1,750万年前に、酸素を豊富に含む海へと変化したと指摘。また、この北極海の状態の変化は、塩分を含む北大西
洋の海水が北極海へ流入することが可能となるような、フラム海峡のより広くより深い海路の形成によるものであると推測するとともに、このような北大西洋と北極海の間の深層流の接続が、全地球規模の海洋循環構造パターンと気候変動に関する重要な鍵を握っているとしている。
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