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地球温暖化のメカニズム

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)・第4次報告書

 2007年4月30日から5月4日まで、タイのバンコクで開催されていた気候変動に関する政府間パネル(IPCC)・第4次報告書第3作業部会(WG3)の第9回総会で、同部会の政策決定者向け要約が承認されるとともに、報告書本体が受諾された。
 第3作業部会の報告は、気候変動のさまざまな緩和(注1)策の将来性とコスト、今後の見通しについて、01年に発表されたIPCC第3次報告書以降の最新の知見をまとめたもの。
 1970年から04年までの34年間に、全温室効果ガス排出量が約70%増加したことや、対策を強化せず現状のまま推移すると、今後数10年間も排出が増加しつづける傾向にあることを指摘。
 このことを踏まえ、2030年までに更なる削減を可能とする緩和策を、エネルギー供給、運輸、建築、産業、農業、林業、廃棄物などの分野ごとに検討し、課題を洗い出すとともに、削減にかかる費用を試算。二酸化炭素1トンあたり20米ドル(約2,400円)の費用をかけた場合には、年90~170億トン(二酸化炭素換算)、同100米ドル(約1万2,000円)をかけた場合には、年160~310億トン(二酸化炭素換算)が削減できるとした。
 また2031年以降については、さまざまな排出予測シナリオを統合化し、2050年時点の二酸化炭素排出量増加率(00年比)と気温上昇の度合いの対応関係を6段階にわけて提示(注2)。平均気温を産業革命時に比べプラス2.0~2.4度の範囲にとどめるためには、2050年時点の二酸化炭素排出量を00年より85%~50%削減する必要があることをあきらかにした。
 この報告書は07年5月4日開催のIPCC第26回総会で第1、2部会の報告書とともに採択された。また、07年11月開催予定のIPCC第27回総会では、第1~3作業部会報告書の分野横断的課題をまとめた「統合報告書」も承認される予定だ。【環境省】

(注1)温室効果ガス排出削減・吸収増加策。
(注2)(1)2050年時点の二酸化炭素排出量が00年比マイナス85%~50%の場合は、平均気温が産業革命時より2.0~2.4度上昇、(2)同マイナス60~30%の場合は、同2.4~2.8度上昇、(3)同マイナス30%~プラス5%の場合は、同2.8~3.2度上昇、(4)同プラス10~60%の場合は、同3.2~4.0度上昇、(5)同25%~85%の場合は、同4.0~4.9度上昇、(6)同プラス90%~140%の場合は、4.9~6.1度上昇--とされている。




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