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地球温暖化のメカニズム

地球温暖化・環境問題:国際シンポ「海洋生物資源管理の最近の潮流」

 外務省と比較法文化学会は2007年3月27日、東京・港区の三田共用会議所講堂で、国際シンポジウム「海洋生物資源管理の最近の潮流~生態系アプローチの限界と可能性」を開催した。
 このシンポジウムは、海に囲まれた日本の重要産業・漁業にまつわる国際問題を一般の人に理解してもらうために、同省が毎年、比較法文化学会との共催で開催しているもの。

 今回シンポジウムには、研究者、水産業界の関係者、駐日外国大使館、NGO関係者ら約100名が参加。森下丈二・水産庁国際課漁業交渉官、ラルシュ・ワロー・オスロ大学教授、都留康子・東京学芸大学助教授、ローリー・リッジウェイ・「海洋と海洋法に関する国連非公式協議プロセス」共同議長らの「生態系アプローチ(注1)」に関する講演や質疑応答が行われた。

 森下交渉官は講演の中で、「生態系アプローチ」という概念について統一された定義がないこと、「生態系アプローチ」の実施にあたって、管理目標の設定や順応管理(モニタリングを行いながら、結果の変動に合わせて対応を変える管理手法)システムが重要であることを指摘。

 またワロー氏は「生態系アプローチ」を利用したノルウェーによる漁業管理の具体例を紹介したほか、都留助教授は、海洋漁業資源問題をエコシステムの一環として位置づけた「国連公海漁業協定(注2)」の意義を考察した。

 リッジウェイ議長は、海洋と海洋法に関する国連非公式協議プロセス(注3)での議論を紹介しながら、「生態系アプローチ」に関して、「生態系そのものを管理することではなく、生態系が持つ機能をいかに損なわないようにするかを考えることだ」と発言。また、漁業に限定せず、「海洋」というより広い概念で捉えることや、より積極的で、全関係者が参加出来るような生態系管理体制構築の必要性を指摘した。

 質疑応答の場では、「生態系アプローチ」の定義や国連食糧農業機関(FAO)の役割、国連非公式協議プロセスの今後の見通しなどについて意見交換が行われた。【外務省】

(注1)従来の単一魚種管理方式とは異なり、生態系全体を考えようとする海洋生物資源管理の考え方。ただし、森下交渉官の講演での指摘のように、この概念に関して世界的に合意された定義はまだ存在しない。
(注2)タラ・カレイ類など分布範囲が排他的経済水域の内外に存在する魚類資源とマグロ・カツオなどの高度回遊性魚類資源の保存・管理について、国連海洋法条約を踏まえ包括的に規定した協定で、01年に発効している。
(注3)国連海洋法条約は領海、排他的経済水域、海洋環境保護についての国家の権利と義務を規定した条約で、1994年11月の発効。06年6月に開催された同条約の第7回非公式協議プロセスは、05年の国連総会決議「海洋と海洋法」にもとづき、「生態系アプローチと海洋」というテーマを扱い、生態系アプローチの概念や定義などを議論した。




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