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家庭用焼却炉

地球温暖化・環境問題:家庭用焼却炉は地球環境にいいのか

 家庭用焼却炉の使用やドラム缶等による焼却、野焼きなどについては、ダイオキシン対策のため、平成14年12月1日から使用が禁止されています。

 つまり、次の条件をすべて満たす焼却炉の場合には使用することができますが、これを満足させる家庭用焼却炉(数万円程度のもの)は販売されていません。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第1条の7)

1. 空気取入口及び煙突の先端以外に焼却設備内と外気とが接することなく、燃焼室において発生するガス(以下燃焼ガス)の温度が摂氏800℃以上の状態で廃棄物を焼却できるものであること。
2. 燃焼に必要な量の空気の通風が行われるものであること。
3. 空気と遮断された状態で、定量ずつ廃棄物を燃焼室に投入することができるものであること。
(ガス化燃焼方式その他構造上やむを得ないと認められる焼却設備の場合を除く)
4. 燃焼室中の燃焼ガスの温度を測定するための装置が設けられていること。
5. 燃焼ガスの温度を保つために必要な助燃装置が設けられていること。

* 2004年10月27日付けで、形式的な要件が緩和されましたが、実質的な要件は同様です。 


 しかし、インターネットで検索してみると「800度以上で燃焼させるため、ダイオキシンを発生しない家庭用焼却炉」というものが販売されていますが、この商品は、上記のすべての基準を満たしていませんので、明らかに違法な商品です。

 確かにダイオキシンは800度以上で燃焼させると分解しますが、飛灰になったときや焼却終了時の温度が下がる時に再結合します。このため、各自治体も焼却炉のみならず焼却灰の取扱いにも神経を使っている状況です。

 このような違法な商品を使用すると、焼却した本人までが懲役3年以下又は300万円以下の罰金又はその併科に処せられますので注意してください。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第26条)

 ただし、次のような焼却などに限って例外的に認められています。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第14条)

1. どんと焼きなどの地域の行事を行うために必要な焼却
2. 焼畑や畦草、魚網に付着した海産物など農業・林業及び漁業を営むためにやむを得ない焼却
3. 落ち葉等のたき火、キャンプファイヤー等その他日常生活を営む上で通常行われるもので、軽微な焼却(注:焼却炉は含みません。)
 
 かつては、ごみ焼却量の減量のため、多くの市町村は補助金を出して家庭用焼却炉の購入を奨励していましたが、法改正後は各家庭から回収している状況にあります。

 しかし、野焼きや家庭での焼却程度でこれまで死者や病人が出たことがないことからも、焼却炉の規制は神経質過ぎるように感じています。塩素系のプラスチック類だけを焼却禁止にし、落ち葉や紙類の焼却は認めても良かったのではないかと思います。

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