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地球温暖化のメカニズム
地球上空オゾン量、紫外線強度
気象庁は2007年12月20日、札幌、つくば、那覇--の国内3地点と南極・昭和基地実施している上空オゾン量、地上に到達する有害紫外線強度についての07年11月の観測結果を発表した。
07年11月の観測による国内3地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は、参照値(注1)と比べ、那覇は4.6%増、札幌は0.9%減、つくばは1.1%減を示し昭和基地は参照値より29.4%少なかった。
また、国内3地点の日積算紅斑紫外線量(注2)の月平均値は、参照値である観測開始(注3)~06年の月別累年平均値と比べると、つくばで多く、札幌は並で、那覇は少なかった。このうち、つくばでは、11月の平均値としては観測開始以来2番目に大きい値の1平米あたり0.94キロジュールを記録した。また、那覇では、11月の平均値としては観測開始以来最も小さい値の1平米あたり1.54キロジュールを記録した。
国内全域の日最大UVインデックス(注4)の月平均値のデータでは、南西諸島で、参照値である97~06年の月別累年平均値と比べ、UVインデックスの値が10%以上高くなった地域が見られた。
米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと、気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、南極大陸ほぼ全域で、参照値に比べ10%以上低い領域が見られた。
2007年の南極オゾンホールは8月中旬に発生した。その後徐々に拡大し、9 月13日に2007年の最大面積である2,490万km2まで発達した。オゾン欠損量は9月24 日に2007年の最大値である8,190万トンとなった。面積、欠損量とも1998年以降でみると、2002年、2004年に次いで規模が小さかった。10月から11月にかけて、過去10年間の平均的な規模で推移したのち、11下旬に急速に規模が縮小した。12月12日にオゾンホール面積はゼロになり消滅した。
オゾンホールの規模はその年の気象状況等により変化するが、成層圏のオゾン層破壊物質の総量は1990年代後半のピーク後も多い状態が続いているため、オゾンホールは今後も数十年間は現れると予想されている。
(注1)札幌、つくばは1971~00年、那覇については1974~00年の月別平均値。また、昭和基地についてはオゾンホールが明瞭に現れる以前の1961~80年の月別平均値。
(注2)紫外線が人体へ及ぼす影響の度合を示す量。紫外線が人体に及ぼす影響は波長によって異なるため、280~400ナノメートルの波長範囲について、波長ごとに波長別紫外線強度に人体への相対的影響度を掛け、積算して求める。
(注3)日積算紅斑紫外線量の観測開始は、札幌、那覇が91年、つくばが90年、昭和基地が93年。
(注4)紅斑紫外線量を日常使いやすい数値にしたもの。気象庁では上空のオゾン量データや、気象台やアメダスで観測された気象データなどを基に毎時の数値を推定している。
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